フェラーリF512M連載 第2回目
オートクラフトの野田です。
さて、フェラーリF512M配線修理連載第2回です。
「大変お待たせしました。やっとお預かり出来るようになりましたので。」
と、いうことで無事入庫させていただきました。
が、しか〜し今回納期シバリも頂戴しました(汗)。
さて、まずはオーナー様持参の整備マニュアルDVDとやらを見ますが、これ誰かが編集したバージョンなんですね。DVDなんで情報量が膨大で確認に半日は要します。
結果、F512Mらしき配線図はあるのですが、表記部位が何なのかのリストが無い。テスタロッサのものは充実してましたが、F512Mとは違う。地道に調べていくしか無さそうです(涙)。
希望納期もありますので、範囲を広げて収拾つかなくならないように用心せねばと、手つける箇所を整理します。
今回「電気系はオートクラフトへ」と紹介いただいたので、まずは電気で結果出したい、喜んでもらいたい。
よって、連載初回時の要望の〇〇とか、〇〇とかすべてには手をつけず、以下のようにはじめました。
・ブレーキ警告灯点きっ放し
→後付けスターターリレー回路キャンセルすると消えるので、後回し。
・ヒューズボックス裏配線溶け
・ラジエターファン回ると、タコメーター踊る、エンジンバラつく。
→これらは関連してそうだなぁ。
やっぱりこの関係部位からでしょう、修理方針、手間がどの位か?概算見積りださねば。
で、純正ヒューズ&リレーボックス部を分解してみると、溶けてるしコゲてるし、火が出てもおかしくない状態。
でで、電源系回路を探ります。
このヒューズ&リレーボックスでこれらの電気回路を賄うのは、キビシイのでしょうね。※写真参照
5枚重ねの基盤構造、そこに電動ファンの電源やら、IGコイル線やら、全部入ってます。
それら電源の入力線が、要求に耐えられずトロけてます。
これをまず対処しないとはじまりません。
新品のヒューズ&リレーボックスに交換して、ワイヤーハーネス交換してが定石でしょうが、それらのパーツ入手出来るか?価格も想像を超えそうですよね。
何かいい方法はないか、、、、、、、、、、、考えて考えて考えて、うん、この方法でいこう。
ここでアイデアを寝かして、また考え直して、うん大丈夫だ。
この段階で、お客様に修理方針及び概算費用説明。ここまでいかないと概算価格を口に出来ません、本当に難しいです。
このオーナー様は一生懸命聞いてくれまして、無事GOサインいただきました。
以下、検証した結果のこの車両の寂しい箇所。
・エンジンアースがバッテリーに戻ってない。
・スターター50端子配線及びラジエタークーリングファン配線の容量不足。
・オルタネーター線が単独ではない。
・リレー&ヒューズボックスへの電源容量不足
・リレー&ヒューズボックス自体の構造的問題(このような構造の他メーカー車はありません)
・バッテリーにメインヒューズボックスが無い
今回私共が考えたプランを分かりやすく言うなら、いつも渋滞してみんなイライラしてる道路をそのままに、バイパスをズバッと通して、そのバイパス出口付近に週末に人が集中する施設(人気ホームセンターとか、家電量販店とか)を移転させ、その出口も整備するみたいな作業です。これで渋滞解消し、旧道新道共近隣住民に快適な暮らしが訪れるはずなのです。
話は戻って、更に飛びますが、上記問題点をなんとかクリアしました(要望納期、ギリギリセーフ)。
終わってみると、予想をはるかに上回る作業時間に閉口。配線修理は本当に大変ですが、この効果を味わってもらいたくて努力し続けます。
3回目の連載はあるのか?
乞うご期待。