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今年は356ミッション修理が続いています

佐藤自動車工業所の佐藤です。

今年は356のミッション修理が多い年頃なのかと不思議に思います。1955年までの2分割式519ミッションから、356Aの644ミッション、そして716、744と356Cまでの全タイプを手がけています。

エンジンブレーキとかアクセルオフで後ろから異音を感じる、という、単なるシンクロ交換以外の現象があるようです。シンクロ交換でも点検項目は多いのですが、デフの分解を伴うと、点検項目はとても多くなります。

デフの分解時にはバックラッシュを専用工具で測定しないといけません。ギア同士がかみ合う時に、完全にくっつけて組んでしまうと、ギア同士がこすれて、すぐにギアの歯当たり面が壊れます。そのための隙間をバックラッシュと呼んでいます。ポルシェの規定は0.1mmから0.15mmとなり、そのギアセットごとに規定数値が記載されています。その通りに組み立てるのは、なかなか面倒です。今年の分解では、みなさん、面白いほどにバックラッシュが不良でした。全部が全部、ガタガタの隙間になっていました。測定工具が無い場合、見当で組み付けるので、隙間を多めに組んでしまうのが原因のひとつにあります。

ある例ではデフボルトが折れた結果、サイドカバーが削れて金属粉がデフ内部に飛び散りました。この際に、デフのサイドカバーを交換。また別のケースではデフにヒビが入ったため、デフハウジングを交換しました。

デフのボルト折れなどで組み直しを行った場合、測定なしで組み付けるとバックラッシュの不良で、やがて異音が出てきます。調整のためには特殊ワッシャを0.1mm単位で用意していないと、なかなかうまく組み立てができません。

ポルシェ356のミッションオイル交換、あまり乗らなくても数年に一度くらいはやっておきましょう。その際に小さな金属粉が出てこないか、良く探して見ておきましょう。残念なことに、金属片が見つかったなら、定期預金を下ろしましょう。

佐藤自動車工業所

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