メッツスピードの鞍貫です。

本日は944S2CSという珍しい固体の整備をしております。968のCS(クラブスポーツ)モデルは認知度も比較的高く、残っている個体数も比較的多いと思います。

が、今回御入庫頂いたのは944S2CSモデル。S2ベースにスポーツシャシを奢ったモデルです。

基本968CS同様、コニスポーツショックに大容量ブレーキ、オプションでLSDというスペックです。ただ968CSの様に、デフォルトで2シーターフルバケットシート・・・ではなく、4シーターのスポーツシート装備でした。概観からは区別のしようが難しく、解体されてしまった固体も多数あるようですね。

今回の整備はブレーキオーバーホール。大容量のブレーキがしっかり仕事できるように、古く硬くなったキャリパーシールを交換します。国産車でも最近ブレンボ社製のキャリパーの装着車が増えてきましたね。

しかしポルシェのキャリパーは確かにブレンボ社製のキャリパーを使用していますが、他社とは大きく違い生産はブレンボ、設計は全てポルシェで行っ ているという点。アフターパーツでもブレンボ社からF50キャリパー等フェラーリ同等サイズはリリースされますが、ポルシェの同等品はないのが現状です。

ポルシェのブレーキへの拘りですね。エンジン出力の実に4倍の制動性能を目指して設計しているそうです。

今回は更にハードなスポーツ走行も視野に入れた設計のキャリパーです。この時代には珍しくラジアルマウントフィッティングを使用しています。本気度が伺えますよね。

オーバーホール時、気をつけるのはピストンがジュラルミン製。傷を付けない様に注意しながら作業します。

組み付け後は、パンパンだったペダルも奥でコントロールできるタッチに変わり、より運転しやすいブレーキになりました。良く効くブレーキは的確なコントロールが必要ですからね。

これでまた気持ち良くドライブして頂けそうです。