ミナーバの三和です。

アルファ・ロメオ156 V6にお乗りのお客様から次に乗り換えるための156 V6を探して欲しいとのご依頼をいただきました。しかし、お客様のご希望はマニュアル車ということで、オススメできそうな個体は今やナカナカ出てこず、1年かかってようやく見つけたのが、このフルディーラー整備というクルマでした。

走行距離も非常に少なく、ディーラー整備でクルマもフルノーマル。これだったら変なこともされていないだろうし、コレほど好条件のクルマにはナカナカお目にかかれない・・・というわけで買ってきたのです。

もちろん、いくら程度が良いといってもそのままでは安心して乗っていただけませんので、各部の整備を行い消耗品や経年劣化した部品を交換します。

しかし問題はその途中で発生しました。アイドラープーリーを取り外そうとヘックスレンチを差し込んで緩めようとしたところ、怪しい手応えと共にズルッと回ってしまいました。どうやらプーリーを留めているボルトの頭のヘックスが嵌まる穴が以前の組み付け時になめてしまって潰れていたようです。

こうなるとベルト廻りはスペース的にも余裕がないので、頭が潰れたボルトを外すというのは非常に面倒だったりします。上側からは工具も入りにくいため、結局下側から周りの部品を一部取り外してスペースを確保、わずかな引っかかりを頼りに徐々に緩めていくのですが、どうもボルトにカジリ止めを塗布ぜずに締めてあるようで、腐食や熱膨張などでネジが噛み込んでビクともしません。

長い時間をかけてようやく緩んだときは「パキーン！」と大きな音がしたので、相当に噛み込んでいたようです。「ディーラーで整備されていた」というのに安心していたのが敗因でしたね。安心の目安にはなりますが、やはり最終的には作業者にかかっているといえます。適切な工具で適切な手順を踏んで作業をしてくれていればこういうことは起こらないのですが・・・