リフトの上に佇む’84年型フェラーリ308GTSは、販売車両として仕上げているものです。20年前に弊社がアメリカより輸入した欧州仕様の車両です。
80年代半ばのアメリカでは、割り当て台数以上のフェラーリに対する需要があり、数多くの欧州仕様車が並行輸入で渡り、この車両もその一台でした。
弊社が日本に輸入して以来20年、メンテナンスを手掛けてきた素性のはっきりとした個体です。

ボディは、前後フェンダーやフロントのエアダム部などに見られた腐食部をパネル切開して鈑金修理を行い、しっかりと仕立て直しました。
シャーシ・フレームは腐食や傷もない、大変良好なコンディションでした。足廻りはショック・アブソーバー、ブッシュ、ブレーキ等をリフレッシュします。
ホイールはこのクルマのオリジナル・ホイールをリ・コンディションしました。

エンジンの状態は良好ですが、しばらく走っていないため、エンジン・ミッションともに車体から下し、
各部の消耗品交換や調整および洗浄を行った後、再び搭載します。
タイミングベルト、そのスプロケット・ベアリングを交換し、ウォーターポンプもオーバーホール、バルブ調整も行いました。
これに併せ、各部を分解し、オイル漏れ箇所等を修理・シールし直します。

さらに機関の各部の汚れも取り除き、新車時の雰囲気を取り戻します。これも一様にサンド・ブラストするのではなく、
オリジナル・パーツの仕上げや風合いを再現するのに最適な方法で行います。
例えば、カムカバーはオリジナルの金属表面の肌合いを活かすためにウェット・ブラストで処理しています。

アウトストラーダが販売するビンテージカーはオリジナルに則した整備と仕上げを行い、ガレージの置物に終わらせることなく、
積極的に走らせ、オリジナルの醍醐味とパフォーマンスをご堪能いただけるように、しっかりと手を入れています。
ビンテージカーを、本来の機能・性能に戻してお届けするアウトストラーダでは、全ての車両に保証を付けております。