オーセンティックカーズです。

現在、当社のショールームにはM100型ロータス・エランが展示中です。
今や一連のルノー・スポールやホンダ・シビック・タイプＲのような
フロントエンジン・フロント・ドライブのスポーツカーが認知されるようになりましたが、
このM100は言ってみればそれらFFリアルスポーツのパイオニアともいえるクルマでしょう。

ロータスが得意とする軽量な車体にいすゞから供給を受けた
パワフルな1600ccDOHCエンジンを組み合わせ、
足回りのセッティングを煮詰めてハンドリングマシンに仕立て上げるという、
いかにもロータスらしいやり方で作り上げた同社初の量産FFスポーツカーは、
当時のFF車ではあり得なかったほどに優れたハンドリング性能を持ち、
一方、FFらしいフロントの安定感とトラクションを武器に、
タイトなワインディングでエリーゼなどのミドシップ・ロータスたちに遅れを取ることのない
パフォーマンスを見せてくれます。

新車時の価格やFFであるといった点から、
市場的には成功したと言いがたいM100エランでしたが、
その走りの実力とスポーツカーらしさを持ったデザイン、
そしてそのコンパクトさ故に、熱狂的なファンがおられるのも事実です。
今回、ショールームに並ぶこととなったカリプソレッドのM100も、
そんなオーナーが手がけてきた一台。本国仕様の右ハンドルをベースに
スペシャルなデザインのハードトップを組み合わせ、スタイリッシュなクーペボディにモデファイ。
インテリアも一見するとオリジナル状態ながら、
違和感なくレカロシートがインストールされているなど、
実に完成度の高いまとまりを見せています。

今後のロータスのヒストリーにも恐らく再登場することのない
FFライトウェイト・スポーツ。単に「失敗作」や「珍車」の一言では片づけられない
深い魅力を持つこのM100エラン。興味を持たれたならば、一度は乗っておくべき一台であると言えます。