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治すほどに調子を崩すピアッツァ 原因不明な修理はクルマ全体を見ながら各個修理の積み重ねで


羽鳥鈑金塗装工業所の羽鳥です。
治せば直すほどに調子が悪くなっていくいすゞ・ピアッツァのエンジン不調・・・
 
今までの経緯はというと
●室内配線修理する


今までより明確に不具合時が出る
 
●エンジンスロットル・ボディセンサー部清掃


更に具合悪くなる
 
●エアフロの配線修理


完全に3気筒、時おり4気筒の症状になり、とても乗れる状況ではなくなる
 
●プラグコード、コイル〜デスビ間の接続部の腐食清掃


一時的によくなるも、今ひとつ・・・
プラグコードを点検していくと、3番の火の飛びが今ひとつな事が多い。
と、お客様にここまでの経緯をメールにて報告。
 
 
こうしてみると、プラグコードが具合良くない感じ。
ということは「最初からプラグコードを交換していればそれで済んだ話」かといえば、
答えは「ノー」です。

入庫時にはプラグコードの不良は見られず、それ以外の部分の不具合の方が大きく
エンジンの不調に影響していた様子・・・そして一つ直せば、他の一つが具合悪くなり・・・

これを仮に「プラグコードだ」と断定し、コードを交換したら、一時的には直るかも知れない

が・・・

そのコードに流れる電気が安定せず、コードの傷みが早まる→エンジン不調→コード交換→不調
を繰り返す可能性も・・・

ということで、この手の原因不明な修理は一つ一つの不調もだけど、クルマ全体を
やんわりと見ていかないとならない、と私は考える・・・
 
 
だから、これを見いて驚いた


コイル〜デスビ間のケーブルを外すと
わぉ! ROCK SHOW!!!!(緑青)
なんで、私はココを最初に見なかったのだろう?
 
 
お客様からは入庫時、「今までの修理内容はここにファイルされていますので」と
過去の修理状況がわかる資料をお預かりしました。

この部分は、先日他の工場でプラグを交換、付属品は点検・清掃されていたはずなので、
私も簡単にしか確認しておりませんでした。・・・そこを信じた私がいけない

が・・・

これでいいのです。
これでこのコードを一番はじめに交換していたら、その時は直ります
 
これを人間のカラダに例えてみると、
 心臓の動きがイマイチ・・・それが原因で血圧が低く、末端の血管も詰まり気味・・・
 という状態だったとします。
 
 心臓の動きを正常にすれば、自然と血圧も正常値に上がってくる
 末端の血管になんとなく血が流れはじめ動く。その後不具合が出るにしても、
 血液がバンバン流れることにより、とりあえずは具合が良くなるも・・・
 
という感じ。
 
今回の配線修理は、末端の細かい部分。
その細かな部分を直していくと、健康になりつつも、今ひとつ・・・
そこをさらに一つずつ・・・でここまできたので、
末端部分をある程度直して、いよいよ心臓に近いところまで来たかな?
 
今回の修理の流れは、悪いものだと私は思わない。
逆に今までの修理履歴を見て来て、ここ数年トラブルを抱えながら修理を
重ねてきたことにより、悪い部分がかなり直ってきたのでは? と思うのです。
 
この手の修理は諦めたら終わり。見えない電気を追えば、必ず答えはどこかにあるはず。・・・はず。
原因のわからない故障。部品だって手に入るかわからない。まさに修理の迷宮・・・
かしこい工場経営者は、こういう仕事は断るのがあたりまえです。
 
しかし、最初にお客様から言われました
「点検してもらって、直ろうが直らなかろうが工賃はキチンと払いますのでお願いします」と・・・
 
そこまで覚悟を決めているお客様のクルマです。
こちらも覚悟を決めて見てあげたいじゃないですか?
直してあげたいじゃないですか?
ここ数年、このクルマが抱えている持病を・・・
 
 
そういえば、このクルマ、


最初はここからのスタートじゃないですか
いやいや〜、がんばってなんとかここまできました。
 
 
こうした稀少な旧車の場合、部品のテストを行うにも、比較用の予備パーツが手に入らないものですが、
重鎮のピアッツァ乗りの方が「テスト用のパーツを持ち込むから、それでテストしてみなさい。
それで改善すれば、部品交換はそれからでいい」と、部品を持って来てくれることになりました。

本当にありがたいことです。お客様に助けられ、感謝しかありません。

羽鳥鈑金塗装工業所

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