シトロエンC4カクタスにLEDヘッドライト 電源制御に対応したインストールで最適化
こんにちは、レッドポイントです。
初期整備でお預かりのシトロエンC4カクタスのヘッドライトをLEDバルブにコンバージョンします。
チョイスしたLEDバルブはBREX製。カクタスのヘッドライトバルブ形式はH7でして、
この形式にLEDヘッドライトバルブの設定がなかなか無いのです。
しかしBREXはそんなマイナーなバルブの設定も用意しており、輸入車ユーザーからの
支持の高さを感じます。
まずはノーマルのハロゲンバルブのの照射イメージ。
C4カクタスの独特な顔つきを象徴するLEDのラインライトの色と対照的な
穏やかなハロゲン光がミスマッチな印象を受けます。
当然ですが、ヘッドライトテスタに映し出される光も優しく穏やかな雰囲気です。
ノーマルのハロゲン光にも良さはあります。しかしながら、斬新な顔つきのカクタスには
クールな光を放って欲しいところですので、LEDにコンバートします。
しかし、ココで一つ問題が。
実はこの車両、ヘッドライトの電源供給がPWM方式なのですね。
PWMとはパルス波のデューティー比を変化させて変調する変調方法です。
電圧の上限値は一定で、スイッチのON/OFFを断続的に行う事です。
当社の取り扱い車種で最も早くこの方式を採用した車種はフィアット500のツインエアーです。
消費電力を抑えるための手段ともいえます。
大事なのは、LEDバルブ装着にあたりPWM制御でよいのか? ということです。
最近はあらゆる光源にLEDが採用されています。LEDを正常点灯させるには、
安定した電圧が必要です。ハロゲンバルブは電圧を下げれば暗く光ります。
LEDの場合、電圧を下げての減光はほぼ不可能でして、一定電圧を下回ると不点灯となります。
家庭用のシーリングライトにもLEDが当たり前の世の中ですが、よく考えるとリモコン操作で減光が可能です。
どのようにして減光するかと言うと、そこにPWM制御が採用されているのです。
つまり、PWM制御のヘッドライトにLEDバルブを装着すると、間違いなく光の量が低下します。
また、LEDバルブのドライバーも電源のON/OFFが繰り返されることで、破損にも繋がります。
気付かずLEDバルブを装着されている方もいらっしゃるかもしれませんが、それはきっと少し暗めに点灯しているはずです。
そこで、当社のオリジナル商品「SessA HID +」の出番です。
このシステムは、コンデンサーの様なダマし要素では無くPWM入力を定電圧出力に変更するマイコンリレーなのです。
ツインエアーのHIDコンバージョンを可能にすべく、開発したこの製品がLEDにも使用する時がきました。
各配線に結線し、入力・出力電圧の違いを確認します。
赤線=SessA HID +により、定電圧出力されている電圧
青線=車両より出力されるPWM制御電圧
このように、電圧の最適化により快適にLEDコンバージョンする事が可能です。
その結果、クールで明るいLED光を放つことに成功しました。明るさも十分確保できています。
BREX LEDバルブは、発光体の角度調整が可能なため、
照らし出されるカットラインの調整が可能です。
これはとても嬉しい点です。対向車へのまぶしさも、
カットラインがしっかりと出ている為、周囲へ迷惑かける事もありません。
オシロスコープの使用により、目に見えない電気を知る事ができます。
たかがヘッドライトコンバージョンですが、
基本に忠実に行う事で良い品の性能を正しく使用する事ができます。