N5型プジョー306 S16 アイドリング不調 スロポジに流れ込んだブローバイでセンサー誤動作
こんにちは、レッドポイントです。
N5型プジョー306 S16はかれこれ十数年も作業をお任せいただいている一台。
新車からのワンオーナーで、いくつもの大物整備を乗り越え今に至ります。
今回は不規則なアイドリング不具合の修理でお預かりし、点検を行いました。
アイドリング不調にはいくつもの原因が考えられますが、真っ先に疑うのは
ISCVアイドルスピード・コントロールバルブです。しかし、症状を確認していると
今回はそういう不具合はなさそうでした。アクセルペダルをあおり、運が悪いと
そのままストールするという症状から、アイドル接点認識を疑います。
こちらがTPSスロットルポジションセンサーです。
N5のS16ならではのことが起こっていました。
バタフライシャフトの真下にTPSが装着されているのですが、
そのシャフトは車両装着状態では真下を向く方向で取り付けられています。
画像ではスロットル本体を横倒しています。
それゆえに、スロットルを通過するブローバイガスに含まれる油分が重力で垂れ下がり、
そのままTPS内部に流れ込みます。そのためスライド接点内部がオイルでぬれた状態になります。
フィアットのデュアロジックでも同様のトラブルが見られます。これにより、アイドル接点の感度が低下し、
誤信号をコンピュータに送信するようになります。
センサーを交換するほどの状態ではないので、今回は油分を洗浄し、組み付けます。
TPSに連結するカプラーも、状態が良くないので対策します。
各部を組み付け、様々な条件下で試運転をします。
このエンジン、とても良い内燃機関です。この先さらにこのエンジンの魅力は上がっていくことでしょう。
NAの2Lです。メーカーのファインチューニングの気持ちよさを普段乗りからスポーツ走行まで堪能できる
良いエンジンです。
この先も良い状態を維持していきましょう。