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半世紀前のトラック修理 ヘッドライトのドレンホースを再生 敢えてカチカチのホースを利用


こんにちは、羽鳥鈑金塗装工業所の羽鳥です。
半世紀前のトヨエース・トラック、作業中にポロっとやっちゃった、
ヘッドライトの水抜きドレンホースの再生を行っていきます。


ゴム製の水抜きホースはポロっと簡単にとれちゃった・・・
ホースというか蓋のような形状をしていますね。
これをどう再生するかを考えます。
 


適当なサイズの合いそうなホースを探します。
この場合、新品ではなく、古くて柔軟性がなくなったものが理想的。
要はゴム内の可塑剤が抜け出たり表面に染み出して硬くなったホース、
そんなのが理想的です。

見た目にも透明度を失って経年で頑固になっている
そんなホースが見つかったので、それの良い部分悪い部分を利用して作ります。
 


治具はちょうどコレがよさそう。
1/4サイズ用のビットアダプターです。
 


数百度の熱風が出るヒートガンで「ホースが溶けるほど〜」に熱を加え
 


えいっ!っと1/4ビットを差し込んで形成します。
 


充分にホースが冷えたら型からホースを外すとこのとおり!
 


それをドレン穴にあてがってみると・・・
あら、何ということでしょう〜 失われたドレンホースがピッタリとはまるではありませんか〜
さらにホース先端はすり鉢状に広がっているので、ホース脱落を防ぐとともに
雨水もスムーズに流れていくという・・・そんな感じ。
 


具合良くフィッティングすることを確認して、


グラインダーで削って出具合を調整します。
これでツライチになり、水が溜まらずスムーズに流れるようになるでしょう。
 


さて、このホース、「また暖かくなったら熱を加えた部分が元に戻ってしまうのでは?」
と思われがちですが、そうでもありません。そんなヤワじゃないのです。
人間と同じでホースも年月が経つと『頑固なまでに』硬くなります。
水道のホースとかもそうじゃないですか? 夏は柔らかく巻き取りが楽なホースでも
冬になるとカチカチで上手く巻き取れない。そんな感じ。わかりますでしょうか?
 


そして気になる赤サビ部分に亜鉛塗料で防錆処理を施します。


そして、チューブを挿入。
隙間にも錆止め兼接着剤として、亜鉛塗料を流し込みます。
コイツはついでに防水の役目もしてくれます。
ここで接着剤を使わないのは、この時代のクルマをあまりボンドでベトベトにしたくないから。
ナチュラルに、効果的に・・・。なんでも改造すればいいわけではない。
自然な仕上がりが一番なのではとワタクシは思います。


裏側はこんな感じに仕上がりました。


ライトユニットが付いてゴキゲンに復活したヘッドライト周り。
そもそも、配線作業中にポロっと破損した(そもそも排水機能も失われていましたが)
ホースが復活しました。

そして作業は地味に続きます・・・

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