主治医なきピアッツァのエンジン不調 エアフロメーターの配線カプラーを修理するも道遠し
こんにちは、羽鳥鈑金塗装工業所のハトリです。
主治医を失ったいすゞ・ピアッツァのオーナー様より
「御社のブログで見たんですけど、ピアッツァのエンジン不調を直してくれませんか?」と
ご相談いただき、「直らなかったらゴメンナサイ」ということでお預かりすることに。
さて、お客様から今までのこのクルマの状況や今回の故障の症状をお伺いしながら
各部を診ていくと、過去に修理したという「エアフロメーター付近の接触不良」部分の
配線をまさぐると、エンジンが少し調子よく始動しました。
お客様:「アレ? 調子よくなりましたね。以前にそこが調子悪くて、今回も確認したんだけどなぁ〜」
わたし:「確かに調子よくなりましたね。そんな重症ではなさそうですよ」
で、今回、何が悪いのかを説明。
エアフロメーターという、エンジン内に送り込まれる空気の量・温度・湿度を測定し
適切な量のガソリンを送り込む様に信号を送るための装置。
人間でいう呼吸器系の口や鼻でしょうか。そこが調子悪くなると呼吸が苦しくなりますよね。
同じようにエアフロメーターが正常に働かないと適切な吸気エアの測定ができなくなる、
イコール、エンジンがかからなくなる。そんな感じです。
お客様の前で、そのエアフロメーターの接続部のカプラーを外してみます。
が、そのカプラーの防水ゴムカバーが劣化でボロっと・・・さっそく壊してますね私。
カプラーとはいわゆるコンセントのようなモノ。
お客様の方でも、過去に防水のコーキングをした形跡も見られますが・・・
残念ながらあまり効果はなかったようです。
長年、過酷な環境に晒された結果、カプラーに刺さった端子のピンは緑青がビッシリ発生していますね。
一度引き抜いたカプラーをもう一度戻し、エンジンを始動するとなかなかに調子が良い。
ということで、まずはここから手を付けていきます。
カプラーには5本の配線が刺さっています。
これをピン抜きを作成して抜いていきます。
端子は緑青だらけでグズグズに。
こりゃ完全に接触不良でエンジンの調子が悪いんだなと判明。
そこで、ピアッツァ界の重鎮にお知恵をお借りして、とある部品を手配。
そして届いたのがコレ。
通常、クルマの配線は部分毎に部品番号があり、このような補修部品として供給されているのですが、
さすがに大昔の初代ピアッツァの補修用配線なんてもう出ない。
そこでこのニッサンの補修用ハーネスです。
ピアッツァを一台でもこの世に残したいというオーナーさんたちの執念と蓄積されたノウハウ恐るべしです。
とても私ひとりでは直せません。
もちろん、形状も全く同じでバッチリ取り付けられます。
ただ、黄色くて太い配線が目立っちゃうので、これはどうにかしたいところです。
配線の修復を開始します。
元の配線をカットし、補修用ハーネスに付け替えます。
車両側の配線とはハンダを使用して接続しましたが、元々の配線の取りまわりが良くないので
そのままではまた断線が起こりそうです。そこで、補修用ハーネスが少し長いことを利用して
配線の取り回しを改善することにしました。
黄色く目立つ配線に黒いコルゲートチューブを巻き、配線を繋いだ部分を他の太い配線に抱かせるように固定、
配線が切れないように処理をして、完成。
どうですか? 黄色い配線は見えなくなって純正っぽい仕上がりでしょ?
納得の仕上がりです。
そしてエンジン始動。
ブルブルブル〜とエンジンが始動。
でも調子はイマイチ。
たしかに前よりは断然調子良いんですが、「はい完成!」とは言いがたい・・・
マフラーから出るガスも濃い感じがして、黒いススが排気ガスに混じっています。
こりゃ、まだ道のりは遠そうだ・・・
続く
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