こんにちは、Jスクエアの永井です。
E93型BMW3シリーズのABS修理を承りました。

今回も他社で修理した形跡があるケースでした。
診断時にはわかりませんが、ユニットを取り外すとすぐにわかる形跡がありました。
お客様は中古車で購入されましたが、ABSの修理歴はご存じありませんでした。
前オーナー様の時代にいずこかでABS修理されたと思われます。
　
　

診断

まずは故障箇所を特定するために診断を行います。

表示された診断コードはこちら。
　５DF0　DSCハイドロリックユニット：ポンプモーター
　５DF1　DSCハイドロリックユニット：ポンプモーターコネクター
よくある故障内容でした。
これならばオーバーホールにて対応できます。
　
　

ABSユニット取り外し〜修理

E90型のABSユニットは運転席前のマスターシリンダー横に装着されています。
　

修理した形跡を発見

ABSのモーター部を外した形跡を発見しました。

写真の矢印の部分がそうです。
ここは本来、ボルトは使用していません。
開けたABSユニットを閉じるのに、新たに穴を開けてボルト留めしたようです。

さらには、モータコイル部を密閉するOリングに液体ガスケットが塗られていました。
これらの不適切な修理が原因でモーターに不具合が起きていました。

このOリングには防水防塵の役目があり、性格に組み込まれていれば
Oリングのみでしっかりと機能してくれるものです。
しかし、今回のように液体ガスケットを塗ってしまうと、しばらくは
正常に機能するかもしれませんが、液ガスの塗布ムラで1〜2年もすると
隙間ができてしまい、モーター部分に水が入りコイルなどにサビが発生し
ABSの不具合につながります。
　
コイルはもう使える状態ではなかったため、新品に交換します。

コイルを交換して、モーターの回転数も正常なものとなりました。
　
　
近頃は他社でABSを修理した車両の再修理が増加傾向にあるように感じます。
また、他社様で修理できず、弊社にご依頼いただく場合もあります。

他社で修理したABSユニットは、不適切な修理が原因でモーターのコイルが
破損しているケースが多く、その場合、通常修理するよりも2万円ほど余計にかかってしまいます。
恐らくは保証期間が短く、再修理やアフターフォローにも問題がある
ABS修理業者さんもおられるようですね。

修理業者を選ぶ際は、そのときにかかるコストも大切ですが、
保証期間の長さもぜひチェックしてみてください。