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VWシロッコABSランプ点灯 基板内ICの不具合を修理


こんにちは、Jスクエアです。
フォルクスワーゲン・シロッコのお客様がABS警告灯が点いているとのことでご来店されました。
ディーラーさんでの修理費用が高額になるということがわかり、
弊社をお選びいただいたそうです。ありがとうござます。

点灯していた故障ランプがこちら▼


 ・ABS
 ・サイドブレーキ
 ・タイヤ空気圧
 ・ESPランプ

 
 

診断


故障内容を把握するために、まずは診断を行います。


VW純正診断機の『VAS』を使用して診断します。
入力されていた故障コードがこちらです▼


 ❶ 00287 右リヤスピードセンサー
 ❷ 00290 左リヤスピードセンサー
 ❸ 16352 ABS ECU故障
 ❹ 01276 ABSハイドロリックポンプ

①・②はABS故障ではなく、センサーの不具合を示すものですので
センサーを交換すれば修理完了です。

③はABSユニット内の基板上のICチップの不具合で、このICのみを交換できないため
基板自体を交換する方法をとります。
④はABSの機械部分の故障ですので、オーバーホールを実施します。


今回のように故障コード『16352』『01130』が同時に入力されることは非常に稀です。
残念ながら全てをオーバーホールでとはいかず、基板は部品交換、ABSポンプは修理となります。
全てを修理で対応するより割高になってしまいますが、それでも全てを新品で
アッセンブリー交換するよりもコストを抑えることができます。
 
 

ABS修理


ABSのモーター部はコイルの交換とブラシの調整を行います。
コイルが劣化してくると回転数が低くなり、モーターのエラーを起こします。
 


基板を新品に交換すると共に、アクチュエーターのシールを交換します。
このシールを交換しないと、ブレーキオイルが漏れる原因になります。
 
 

エア抜き


修理完了したABSユニットを車体に取り付け、
ブレーキ圧送機でABSユニット内に混入しているエアを抜く作業を実施します。
 
 

コーディング


今回は基板を新しい物に交換したため、車両へのコーディングが必要となります。
(全てオーバーホールで対応した場合はコーディングは不要です。)


前もって車両より抜き出しておいたコーディングデータを入力します。
1項目につき2ケタの数値で、そのクルマに付いている装備などの情報を設定します。



▲こちらはブレーキペダルを踏んだ際の、圧力を学習させる設定です。
このように以下の6項目を設定していきます。
 ・操舵角センサー
 ・横加速度センサー
 ・ブレーキ圧力センサー1
 ・縦加速度センサー
 ・油圧ユニットインテークバルブの基本設定 (Input Valves)
 ・油圧ユニット切断バルブの基本設定 (MCI Valves)

 
 

修理内容とコスト


今回のケースでは基板を新品交換、ABSポンプはオーバーホールという修理内容でした。


弊社ではできる限り全てオーバーホールで修理する方針ですが、
今回のように故障箇所によっては基板自体を交換せざるを得ない場合もあります。
その場合、全てをオーバーホール対応するより修理費用は高くなってしまいますが、
それでもABSユニットごと交換するよりはコストを抑えることができます。
ABS警告灯が点灯した際は、お気軽にご相談ください。

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