こんにちは、Jスクエアです。
北海道からフォルクスワーゲン・ゴルフ4のABS修理を承りました。
今回はABSユニットのみ宅配便でお送りいただきました。
ユニットの脱着ができる業者様の場合は、ユニット単体でお送りいただき
修理対応が可能です。

（写真は過去に修理後依頼いただいたゴルフ4）

実は今回のゴルフ4、一度ABSユニットのオーバーホールをしたのですが、
6ヶ月経過して「ABSランプが再び点灯したので点検して欲しい」とご連絡いただきました。

ゴルフ4のABSユニットは修理後に再び警告灯が点くことはほとんどないため
不思議に思っていたのですが、それもそのはず、今回は大変珍しい不具合が起きていました。
　
　

前回は基板部分の
　・コンデンサー
　・トランジスタ
　・カプラー接続部のハンダ割れ
などの不具合を修復しました。
これらの修理によりABSのモーターは正常に動作したため、
納品したというのが、前回お預かりした際の流れです。
　
　

今回、ABSユニットと共に先方で診断した際の故障コードの画像も
一緒に送ってくださいました。
これはABS修理のポイントを絞り込むために大変助かります。
ご丁寧にありがとうございました。
　

ABSユニットを基板、モーター、ソレノイドに分解しました。
前回修理した基板部分を再点検しましたが、やはり問題はありませんでした。

となると疑わしいのはモーターです。
12Vを通電して動作テストを行ったところ･･･モーターが動きません。
モーター内部の不具合が考えられますね。

モーターを分解してみてわかったのは、
モーター内部にあるブラシが異常に摩耗していることでした。

左側が摩耗して接点がなくなってしまったカーボンブラシです。
右の正常なモノと比べると長さが半分もありません。
このブラシを新品に交換することで、無事にABSのモーターは動作するようになりました。

ゴルフ4のABS故障は基板の不具合がほとんどで、
今回のようにモーターの機械的故障は過去になく、今回が初めてのケースでした。

お客様に伺ったところ、「雪国なので頻繁にABSが作動することがある」とのこと。

ABSが作動するとモーターコイルが回転するのですが、
その度にカーボンブラシが回転部に摺動しながら通電し、ブラシが消耗していきます。
そのため、ABSの作動頻度が多い分、ブラシの接触部分の消耗が進み、
電気が流れなくなってモーターが動作しなくなった、という珍しい事例でした。