こんにちは、レッドポイントです。
PSAとBMWにより共同開発された1.6THPエンジン。
プジョー・シトロエンのあらゆるモデルで使用されています。

今回は整備の流れでタービン周りを分解することとなり、
各部の消耗具合や今後の注意点について確認することができました。
まず、分解途中で気になったのは、画像の中央部付近に位置する
エキゾーストマニホールドのロックナットの状態です。

　
拡大してみると、エキマニフランジとロックナットに一体のカラーとの間に
隙間が生じていることがわかります。

これはナットの緩みにより生じた隙間です。
隙間ができるということは、ほぼ締まっていないということ。

こちらの画像になるナットは、フランジとの間に隙間がありません。
しっかりと締まっていることを意味します。

　
排気漏れや2次空気混入が懸念される内容です。
エキマニ内に2次空気が混入すると、O2センサ（ラムダセンサ）が
酸素濃度が高いと判断してしまうことが考えられます。

取り外したマニホールドです。
わかりづらいですが、中央部の2分割構造の下側、左端にはごく僅かなクラックを確認しました。

エキマニに生じるクラックについては、現状大きな問題が発生している様子はありませんが
鋳物ですのでクラックが進行すると破片がタービンに混入し、ブローを招きかねません。

そしてタービンを構成する部品のひとつ、ウェストゲートバルブです。

ターボに関する部品の中では曖昧な作りの部分です。
インペラやベアリングは精密な作りですが、ここはいかにも大味にも感じる箇所です。

他の車両との比較をしていないので何とも評価しづらいですが、
結構なレベルでガタガタとしています。

おかれている環境はとても過酷ですので、
距離に応じて適切な処置が必要な気がします。
　

最後にここがタービンの中心部。
ブレードはとてもデリケートな素材ですが、傷みはなくベアリングも健全でした。

水漏れやオイル漏れの多いことで有名な1.6THP。
ベストな状態を維持するためには、様々な整備が必要なのは間違いありません。
距離と経年による劣化については、予防整備も含めてご案内させていただくことは尽きません。