オースチンヒーレ—・スプライト ホイールシリンダーの予防交換 旧車に接し、自動車整備の原点を見直す
こんにちは、レッドポイントです。
2年に一度お預かりしてメンテナンスをお任せいただいている、オースチンヒーレー・スプライト。
今回はドラムブレーキのホイールシリンダーの予防交換を進めています。
ホイールシリンダーとは、ディスクブレーキでいうところのキャリパーの様な役割を担う部品です。
キャリパーピストンに比べるとピストンサイズがとても小さいため
ストローク量が多く消耗の進行が早いので、定期的な交換が必要となります。
最近のクルマはほとんどが4輪ディスクですので、このような作業は少なくなってきましたが、
フィアット500シリーズの後輪はアバルトを除いて同様の構造です。
プジョー・シトロエンでも一部モデルに存在しています。
新品に交換するといえど注意したいのがその内部の状態。
誰がいつ組み立てた部品ということまではわからないため、
念のために分解し、清掃とグリスの引き直しを行います。
新しいシリンダーのピストンを抜き取りウエスで拭うと、
黒ずんだ汚れのようなものが確認できます。
カップグリスは必要最低限のみ塗られていることも確認できました。
スチール素材のシリンダーとピストンですので、結露などによる水分付着から
錆の発生も考えられますので、カップ以外の箇所にもシリコングリスを塗布して組み付けます。
こちらは交換したホイールシリンダーの中身です。
黒ずみや汚れはすり減ったラバーカップによるもの。
シリンダー内部の状態は良い方ですが、それでも錆によるクレーターが発生していました。
シリンダーに発生するクレーターは、カップの気密性を損なうため
ブレーキフルード漏れの原因となりますので、注意すべき点です。
旧いクルマに接すると自動車整備の原点をじっくりと見直すことができます。
旧き良き時代を知り、現代の車輌と向き合う。大事なことです。