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20年前と10年前の塗装はどちらが長持ち? 油性の2液ウレタンと水性塗料

こんにちは、羽鳥鈑金塗装工業所のハトリです。
さて、こちらのオートザム(マツダ)・キャロルとトヨタ・ソアラ。
いずれも昔に当社で塗装させていただいたお客様のクルマです。


緑色のキャロルは20年ぐらい昔に当社で全塗装。
 


赤色のトヨタ・ソアラは10年ぐらい前に当社で色褪せの補修塗装。
この2台は塗装した時代が違います。
 
 
自動車の塗装は、まずベース色(緑や赤、黒などそのボディ色)を塗装して、
その上にトップコート(いわゆるクリア塗装)という透明な艶を出すための塗装を施します。
色→クリアという順で塗装しますが、今は環境へ考慮して塗料が異なります。
 


まずは20年ごろ前のキャロルの塗装は、
・ベース色が2液のウレタン塗料(油性)
・トップコートが2液ウレタン塗料(油性)

オーナーさんは普段ボディのメンテナンスをほとんどしないため、
すっかりツヤがなくなり色褪せておりますが、


チョイと表面を磨いてあげると、この通りツヤが戻ってきますね。
 
 


一方、10年ほど前に行ったソアラの塗装は
・ベース色が1液の環境対応溶剤塗料(水性)
・トップコートが2液のウレタン塗料(油性)

となっています。
ツヤのなくなったベース色と変色してパリパリに剥げ落ちたトップコート。
コレ、ダメじゃん…

実際、「お宅でやってもらったけどダメなんだけど」って
奥歯噛みしめながらクレームをいただいたこともありますが…
はっきり言ってウチのせいじゃない!
 
  
昨今、良いとされている「水性塗料」はほんとに良いモノなのか?
皆さん「メーカー純正が水性塗料なんだから良い!」と言われるのですが…
ベース塗料が水性でトップコートが油性で混じり合うことがないので、
密着性が良くないというのは否めない…

もちろん、クルマの使用状況や保管状態で塗装の痛み具合も違ってきます。
このソアラは外装に関しては特段手入れをしなくて、常に外置きなので、
こうなってしまったのだろう。

もちろんそんなことはメーカーはわかっていて、どうすれば持ちの良い塗装ができるか
研究しているワケですが…
今やクルマも消耗品のひとつなんで、環境問題その他などと天秤にかけても
昔の塗装ほど長持ちするようなモノを使うことはできないということなのでしょう。


こちらは補修でお預かりしているトヨタ・ライトエーストラックですが、
同様に新車からの塗装が20年ほどでクリアが剥がれてきております。
ですのでどうかお許しいただきたい…

ということでボディ塗装今昔物語でした。

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