愛知県よりE92型BMW M3のお客様がABS修理で来店いただきました。

行きつけのディーラーさんで診断したところ、
『ABSの故障の可能性が高いが、確定できないので、専門店で診てもらった方が良い』
と紹介してくれたそうです。
　
　

下記の警告灯が点灯していました。
　・ABS
　・サイドブレーキ
　・DSC
　

入力されていた故障コードは以下の通り
　5DE0 DSCブレーキパット摩耗表示　フロントアクスルの妥当性
　5DF0 DSCハイドロリックユニット　ポンプモーター
　5DF1 DSCハイドロリックユニット　ポンプモーターコネクター
　
　

E92型の左ハンドル車はエンジンルーム内の右側にABSユニットが搭載されています。
ブレーキ配管とナット2つを外し、電源のカプラーを抜くとユニットが取り外せます。

こちらが取り外したABSユニット。
分解してオーバーホールを行います。
　
　

今回のケースではスピードセンサーのエラーはなかったのですが、
だいたいがABSユニットとほぼ同時期に故障します。
ABSを修理をしてからしばらく経って再びABS警告が点いた場合は
スピードセンサーが故障していることがほとんどです。

遠方よりの来店ということもあり、対策として交換をお薦めしたところ
お客様には承諾いただきましたので、センサーを4つ全て交換することに。
これからも長く乗るという方には、ABS修理の際にスピードセンサー交換をお薦めします。
なお、ABS修理と同時にスピードセンサー4本同時に交換されますと、
部品代と工賃からトータルで28,160円割引のキャンペーンを実施しております。

白い配線がスピードセンサーです。
　
　

基板の修理においては以下の作業を行います。
　・コンデンサ、トランジスタなど表面実装部品の交換
　・ハンダ付けのやり直し
　・IC回路のハンダの最実装

オリジナルの部品よりもグレードの高いコンデンサに交換します。

基板修理の様子です。

ICチップのハンダの最実装には専用の特殊工具を使用します。
様々なチップに合わせて、アダプターを使い分けて作業します。

このアダプターを使うことで基板上の他の部品に熱がまわることなく
ICのハンダ部だけをピンポイントで熱することができます。

以上で、E92 M3のABSユニットの修理が完了しました。
今回は遠方からのご来店、ありがとうございました。