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ポルシェ968 CS エンジン始動不能、タイミングベルトコマ無くなり、速やかにエンジンのオーバーホールに

メッツスピードの鞍貫です。

本日はエンジンが掛からなくなったポルシェ968CSの修理作業を進めております。

走行中にエンジンがストール、走行不能になったとの御連絡を頂きレッカーで搬入。

調査開始です。

クランキングをしようと試みるも、お客様がバッテリーが空になるまで回してしまった後だったので先ずは充電から。

充電後クランキングするも正常なエンジンバランスでのクランキング音ではなく、タイミングベルト切れたかな?という感じのクランキングでした。

走行中にストール、ストール後バッテリーがなくなるまでクランキング・・・バルブ大丈夫かな?懸念事項がふえました。

ここから実作業開始です。

先ずはバランスベルトを外し、タイミングベルトの状況確認から。

切れているかと思いきや、ベルトのコマが半分くらい無くなっていました。

状況的にはベルト切れと変わりませんが、ベルトが多方面に絡んでいないので少し楽ですね。

兎に角バルブの状況が分からないのでタイミングベルトを掛けてエンジン始動確認です。

懸念通り、エンジンバランスが崩れているバラバラしたエンジン音でした。

圧縮を測定するも、1番シリンダーの圧縮0。

今回は消耗部品等々交換で金額がかさみそうなので、単純なバルブ交換のみで作業させて頂きました。

968はシリンダーがアルシルシリンダーというアルミニウム製の特殊コーティングシリンダーを使用している為、カーボン等で傷がつきやすいので点検、清掃をしておきます。

シリンダーヘッドを取り外し、曲がったバルブと怪しいバルブをヘッドから摘出、曲がりを測定、バルブガイドの点検、新バルブで旧バルブシートに当たりつけをします。

気密が確保できることが確認出来たら、シリンダーヘッドに組付けます。

完成したヘッドを車両に戻し、ウォーターポンプ等々水回りの消耗部品を交換して・・・。

タイミングベルト、バランスベルト、周辺のローラーベアリングの交換。

最近故障が増えている、タイミングベルトのハイドロリックテンショナーも交換。

此方も最近経年劣化が進んでいる、マグネシウム製タイミングカバーも交換。

元気に回るエンジンに復活しました!

968はシリンダーヘッドガスケットも弱いので今回交換できて安心ですね。

今回は走行中のエンジンストールがタイミングベルトのコマ飛び起因だと想定しますが、ストール後に沢山クランキングするのはエンジンへの致命傷になりかねません。

安全な場所まで移動させてレッカー移動をお勧め致します。

部品が当社に全て在庫しておりましたので、気持ちの良い秋ドライブに間に合いますね。

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