こんにちは、Jスクエアです。
1991年式964型ポルシェ 911タルガにお乗りのお客様から
「最近エンジンオイルを補充する頻度が増えてきた」
「マフラーから白煙が多く出るようになった」
というご相談をいただきました。

クルマを拝見したところ、オイル漏れを発見。
補充したそばから漏れ出ている感じです。
まだまだこれからも乗り続けたいとのことで、
エンジンのオーバーホールをすることになりました。

一言でエンジンのオーバーホールと言ってもどこまでやるのか、
エンジンの状態とご予算に応じて異なってきます。

今回の964タルガは製造から30年が経過していますが、
走行距離は6.5万kmとそう多くはありません。
しかし白煙が出ているということで、ヘッド、腰下共にリフレッシュする
フルオーバーホールを選択していただきました。
　
　
それでは車体からエンジンを降ろし、オーバーホール作業を開始します。

何人かのオーナー様がお乗りになってきた1991年式タルガのエンジン。
過去にエンジンを開けたような形跡はありませんでした。
今回が初めてのオーバーホールになると思われます。

30年頑張ってきたこのエンジン。
内部の部品を再利用できるものと交換するものにより分けるため、
分解して洗浄と測定を行っていきます。
　
　

▼Before

▼After

長年に渡ってこびりついたカーボンやワニスなどの様々な汚れを洗浄。
真っ黒だった内部も本来のシルバーを取り戻し、ピカピカになりました。
　
　

▼Before

▼After

洗浄の前後で違う材質のように見えますが、キレイになっただけで同じモノです。
すっかり見違えるようになりました！
　
　

▼クランクの歪みの測定

▼バルブの曲がりの測定

ダイヤルゲージという計測機器を使用して、各部の歪みや曲がりが
規定値以下であるかを計測していきます。
　
　

▼Before

▼After

クランクケースを分解し、クランクを取り外した後にクランクケースを洗浄。
　
　

エンジンのオーバーホールはひたすら洗浄と計測の連続です。
そうして問題のある部分を取り除いていきます。
細かな部品まですっかりキレイになりました。
　
　

クランクとクランクケースに隙間がないように、プラスチゲージという測定具で
しっかりと確認しながら組み上げていきます。

クランクケースを割る前にもクランクの振れ・歪みを測定しましたが、
念には念をいれて、組みつけ前に再び測定して精度を確認します。

組み上がった腰下に、これからシリンダーとシリンダーヘッドを組みつけていきます。

エンジンを構成する部品をひとつずつ確認し、再利用できない部品は交換、
再利用する部品は洗浄・測定し組みつけていきます。
30年の汚れが蓄積したエンジンが新品のように生まれ変わりました！

そしてついにリフレッシュされたエンジンがボディと再会の時を迎えました！

車体にエンジンが搭載されたら、最後にエンジンオイルを入れて
オイル漏れが内科を確認していきます。

オーバーホールが完了し、車体搭載後のエンジンを下側から見た様子です。
オイル漏れしていると、この部分に滲みがありますが、一点の曇りなくキレイですね！
　
　
これでいよいよオーナー様に納車できます。
オーバーホールしたばかりのエンジンは各部が新品のような状態ですので、
納車後しばらくはエンジンの慣らし運転が必要なことをお伝えしました。

オーナー様は
「オイル漏れのストレスから解放され、新鮮なエンジンを楽しめる！」
と笑顔でお帰りになりました。

今回の作業、クルマをお預かりした期間は2か月ほど。
大変お待たせしました！

Jスクエアではポルシェの整備に精通した熟練の整備士が丁寧に対応させていただきます。
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