こんにちは、Jスクエア店長の篠田です。
今や貴重な2ケタの3ナンバーを付けた964型ポルシェ 911 カレラ2をお預かりしました。

この964はお客様のガレージで20年近く仕舞われていて、
当初は買取りのご相談をいただきました。

しかしせっかく思い入れのあるクルマですし、
まずはキチンと走る状態にし、しばらく乗ってみられることをご提案しました。

その上で、これからも乗り続けるか、手放すかを決められては？
とお話しさせていただきました。

そういった経緯で、まずは弊社でお預かりして
エンジンが掛かるようにして、車検に通る状態まで整備することに。
大まかなお見積もりをお客様に提示させていただき、
ご納得いただけましたので、作業を進めていきます。
　
　

ここからは弊社のベテランメカ、井口工場長の出番です。

長期間動かしていないクルマが不動になる原因の1つに、ガソリンの変質があります。
燃料タンクの中を確認すると、腐ったガソリン特有の臭いが鼻を突きます。
案の定、タンク内のガソリンはドロドロのタール状に変質、
液体のまま出てきたガソリンはごく僅かでした。

また、鉄製の燃料タンク内部は結露で生じた湿気のため、サビだらけに…

タール状のガソリンはタンク内だけではなく、燃料ポンプや
燃料ラインの内部にも溜まって、頑固に固着していました。
その結果、ガソリンをエンジンへと送れなくなっていたのです。

燃料タンクとポンプは新品に交換することになりました。
30年以上も前のモデルの燃料タンクが今でも新品で入手できるというのが
さすがポルシェと感心させられますね。

燃料の通る経路はすべて分解して内部を清掃、
インジェクターはオーバーホールし、
燃圧レギュレーターは交換するなど、
燃料系をリフレッシュしました。

復活へ向けての作業は、まだまだ続きます。