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986型ポルシェ・ボクスターS ミッションからの異音が出たり止んだり ダブルマス・フライホイールの経年劣化


メッツスピードの鞍貫です。
 
2000年式の986型ポルシェ・ボクスターSの異音修理を進めております。
お客様のお話では、以前よりミッション付近から大きめの音が出ていたとのこと。
ヒアリング進めていくと、どうやらミッション内部からの異音のようでした。
 
ご来店いただいて実際に異音を確認させていただくと、
エンジン回転に伴い音の周波数が変化するので、ミッション内部なのか?
はたまた別に原因があるのか? 色々と考察や対策を行っていくうちに
音が消えてしまったとお客様からご一報。
 
 


ミッション内部が破損していて音が消えることは考えにくいです。
当社では以前にも986で同じような異音の修理をおこなった経験がありますが
その時はダブルマス・フライホイールの不具合でした。
 
従来のフライホイールは全てが一体の金属製部品でしたが、
ダブルマスは2つの円盤をラバーフローティングさせて、
エンジン・ミッションの騒音を低減する快適アイテムです。
静かになる一方で、フライホイールが重たくなってしまうことと
複合部品になるため故障につながるというデメリットも持っていますが……
 
 
ラバーフローティングのダンパー構造がエンジンからの熱や負荷、
経年劣化などでヘタり、ときおりエンジン回転方向でロックしてしまう場合があります。
こうなるとエンジン音やミッションの摺動音が、ガンガンとコックピット内に
異音として入ってきてしまいます。
で、何かのタイミングでロックしていたフライホイールが元に戻ると
何事もなかったかのように異音もしなくなってしまうのです。
 
 
そこで、今回はこのダブルマス・フライホイールを交換させていただきました。
ボクスターはミドシップ・レイアウトなので、後方に付いているミッションAssyを
取り外すのにリアバンパーその他リアまわりの諸々を取り外していきます。


様々な部品を取り外してようやくフライホイールにたどり着き、
あわせてエンジンのリアオイルシールも交換、クラッチはまだ残量があったため
このまま使用します。
 
分解・組付け作業時にはクラッチ摺動部を清掃し適切なグリスで潤滑、
これだけでクラッチペダルの踏力が少し軽くなります。
後は全ての部品を組みつけて作業は終了です。
 
 
3.2LのボクスターSだったので、部品が間に合うか少し心配でしたが、何とか間に合いました。
これで凜と冷たい晴天の下、気持ちの良い年末ドライブをお楽しみいただけますね。
 
 
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