ロードテスト フェラーリ812スーパーファスト ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2018.08.12 10:10 更新 : 2018.08.17 14:36
嘘八百馬力、なんて皮肉を過去のものにする、掛け値なしの800psフェラーリ、812スーパーファストがロードテストに登場です。怒涛のパワーと、4WSを擁する先進シャシーでライバルを圧倒、と思いきや、テスター陣はそのバランスに苦言を呈しました。
もくじ
ー はじめに
ー 意匠と技術
ー 内装
ー 走り
ー 使い勝手
ー 乗り味
ー 購入と維持
ー スペック
ー 結論
はじめに
フェラーリが用いるサフィックスで、Mはモディフィカート、すなわち改修を受けたことを示す。575Mや456M、F512Mがそれに該当するモデルだ。今回テストする新型V12フェラーリには、812スーパーファストの名が与えられるが、その社内コードはF152M。すなわち、2012年に登場したF152ことF12ベルリネッタのモディファイ版なのである。
つまり、これはF12との関連性が強い新型車だ。F12をベースに、パワーアップをはじめ、トランスミッションやサスペンション、空力、操舵系のアップデートを施したフロントエンジンのスーパーGTクーペなのである。このジャンルはフェラーリにとって、250や275、365GTB /4デイトナなどで築き上げてきた歴史があり、550マラネロで再び火をつけたカテゴリーでもある。
そんなマラネロの新たなフラッグシップは、ついに最高出力が800psに到達したが、そのV12ユニットの排気量はF12より拡大されている。また、先進的なサスペンションや空力デバイスは少量生産されたF12tdfから受け継いでいるが、最大トルクはこの限定モデルを上回った。
この812における、フェラーリの狙いとは何か。F12ベルリネッタを上回るパフォーマンスは、ライバルたちの動向に呼応したものであり、マラネロの言を借りれば「可能な限り最も魅惑的で、走らせ甲斐のあるドライビング体験」をもたらすためのものだ。果たしてその結果とは。そして、長距離をカバーし、ハンドリングに優れる2座グランドツアラーとしてのコアとなる能力に妥協はないのか。じっくり検証していこう。