比較テスト ジャガーXKR vs ポルシェ911 クラス王者の座は 回顧録
公開 : 2018.08.14 17:10 更新 : 2018.08.14 18:33
新型XKRは、ジャガーが長年忘れていたスポーツの血統を引くクルマに生まれ変わりました。そこでこの分野の王者である911に挑みます。田舎道での比較テストの結果は、510psの強心臓を持ちながら快適で洗練されたXKRの勝利となりました。
もくじ
ー モータースポーツの血統を持つ両ブランド
ー 心臓に加え内外装がリファインされたXKR
ー 911もビッグマイナーチェンジ直後
ー 余裕たっぷりなXKR
ー スイッチひとつで変わる乗り味
ー PDKはシフトショックも
ー 上品なGTではない
ー ともに優れたエンジン
ー より快適で洗練されたXKR
モータースポーツの血統を持つ両ブランド
ジャガーとポルシェはどちらも世界的に有名なスポーツカーメーカーである。複数のル・マン優勝歴を持ち、美しい歴史的なクーペの名車を世に送り出したという点でも両者は共通している。だが、Eタイプと911の誕生以後、歳月が流れるにつれて、ジャガーのほうはスポーツの血統が薄まっていった。
Eタイプの後継にあたるモデルはどれも高性能GTで、週末に山道を攻めたり、ヒルクライムに挑むという目的よりも、長距離を快適に移動する目的に適したクルマだった。
一方、911の名を受け継ぐモデルは、濃密なドライビングプレジャーを提供するという初代の目的をかたくなに守り続けてきた。現行のタイプ997は、1963年生まれの初代911以上にサーキット走行を得意とするスポーツカーである。
だが、現代の新生ジャガーは、今再び自らのDNAに刻み込まれたハイパフォーマンス指向の遺伝子にフォーカスを当てたクルマ作りに取り組み始めている。そしてその成果をわれわれに華々しく示してくれたのが、なにを隠そう先頃発表されたXFRであった。XFRは世界最高のスポーツサルーンと呼べるクルマで、高いスポーツ性を実現しながら、洗練度をほとんど犠牲にしていない希有なクルマだ。