長期テスト スズキ・イグニス(4) 良好な視界と走り 英国編集部もお気に入り
公開 : 2019.02.01 11:40 更新 : 2019.02.01 15:57
不思議な魅力を持っている、スズキ製の小さなクロスオーバー。英国編集部の評価は高く、好きだというスタッフが多数だといいます。スズキ・フロンテクーペの所有歴もあるというマニアなレポーターによる、日常のインプレッションです。
もくじ
ー フロンテクーペに影響を受けたデザイン
ー 高めの全高がもたらす良好な視界
ー テスト車について
フロンテクーペに影響を受けたデザイン
英国AUTOCARの編集部員のほとんどが、わたしも含めて、このスズキ・イグニスを気に入っている。これまで長期テストでかなりの時間を乗っているが、その理由が何なのか、まだよくわかっていない。ファーベント・レッドと呼ばれる赤いボディに、スタイリッシュな黒いホイールが組み合わされ、スタイリングはカッコいい。インテリアデザインも特徴的。シンプルなインスツルメント・パネルに、黒とクリーム色のインテリアパネル、クロームメッキされたドアノブなど、雰囲気も悪くない。
イグニスに乗るときは、買い物に出かける時が多い。ラゲッジスペースもちょうど良い大きさがあり、大人4人が乗れる充分な空間があるから、老いも若きも一緒に移動できる。朝晩の通勤ラッシュに巻き込まれても、燃費は16.6km/ℓと優れている。
ひとクセあるエクステリアデザインは、日本の軽自動車、スズキSC100(フロンテクーペ)にインスピレーションを受けているらしい。スズキSC100はリアエンジンの2+2のレイアウトを持ち、ウィズキッドの愛称で1980年代に英国へ正規輸入されていたクルマだ。実は、わたしはそのウィズキッドが好きだった。実際、これまでに3台も所有した経歴があったりする。全長わずか3.2mで、子供並みに低い全高には楽しさが詰まっていた。
当初イグニスを見た時、その全高の高さに納得できなかった理由はそこにあるのだろう。何しろ、イグニスの全高は1595mmもあるのだが、それは日産キャシュカイより高いのだ。全長は3700mmと700mmも短いのに。ウィズキッドのロードマナーは美しいとはいえず、むしろ恐ろしいものだったから、イグニスを実際に運転するまでは、この短い全長に車高の高さを組み合わされたSUVが、どれだけちゃんと走れるのか疑問に感じたのだった。