ロードテスト フォード・フォーカス ★★★★★★★★★☆
公開 : 2019.03.02 11:50 更新 : 2019.03.12 14:36
欧州Cセグメントを、卓越した走りでリードしてきた実用ハッチバックがフルモデルチェンジしました。動力性能は及第点ながら、シャシーは期待を裏切らない出来栄え。内装の質感はライバルに見劣りしますが、そのハンドリングの前では些細な問題です。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術
ー内装
ー走り
ー使い勝手
ー乗り味
ー購入と維持
ースペック
ー結論
はじめに
4代目フォード・フォーカスは、段階的にグレードや機種を増やすかたちで市場導入が進められてきたが、そろそろフォードは一旦コンプリートと宣言しそうだ。昨年夏に5ドアのハッチバックが投入され、続いて秋にエンジンの追加機種やワゴンボディ、最上位グレードのヴィニャーレを設定。そして先ごろ、新型フォーカスSTが発表された。また、近々われわれは目玉になりそうなモデル、クロスオーバー風のフォーカス・アクティブも登場する。徐々に、ピースは揃おうとしている。
出し惜しみをしたからといって、それでフォーカスの人気が損なわれることはないだろう。2018年は主要機種が切り替わる年であったにも関わらず、英国での販売台数はトップ3に肉薄する第5位に入った。2019年、欧州の新車販売でトップ10に食い込んでもおかしくないと目される。
そうなればフォードは、売れ筋のファミリーハッチの順当な出来栄えに、控えめながらも満足するに違いない。しかし、フォーカスの魂はどうなのだろうか。予想以上に待たされたけれども、今回は、ST登場前の現時点では運動性能面で最上スペックのフォーカスをテストすることができる。セグメントでドライバー志向がもっとも高いハッチバックの最新作が、どれほどスポーティで走りに没頭させるクルマなのか、それを検証できるというわけだ。ボンネットの下には、フォードの1.5ℓ直3ターボガソリンのうち、最強版となる182ps仕様が搭載される。リアにはコントロールブレードと銘打たれる洗練度を高めたサスペンションが採用され、STラインXに標準装備の18インチホイールと、オプションの連続制御式アダプティブダンパーが装備される。
それゆえ、このテスト車は4代目フォーカスのラインナップの中でも、運動性能における新たなステップを刻むものに違いない。果たして、どんな走りを見せてくれるのだろうか。