ロードテスト メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ ★★★★★★★★★☆
公開 : 2019.04.20 09:50
AMG専用モデルに加わった4ドアは、メルセデスのモノコックがベースだとか。同じプラットフォームを用いるAMGモデルとの差別化は明確か疑問でしたが、すべては杞憂。4ドアGTの新たな地平を開く走りに、テスター陣は舌を巻いたのです。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★★★☆☆
ー走り ★★★★★★★★★★
ー使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★★★
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★★☆
はじめに
いまやメルセデスAMGを名乗るサブブランドとなったが、かつてAMGは独立したチューナーだった。その頃まで振り返っても、ここ10年の発展ぶりは、実に意義深いものに数えられる。この成功の基盤となっているのが、比較的平凡なメルセデスの実用モデルを、公道でもサーキットでも高い戦闘力を誇る生粋のパフォーマンスマシンに変貌させ、しばしばライバルを圧倒する能力だ。また、ドライバーズでもコンストラクターズでも5年連続で王者に輝いたF1活動も、一役買っているのは間違いない。
とはいえ、おそらくそれら以上に意義があるのは、AMGオリジナルのスポーツカーを生み出したことではないだろうか。最初は2009年に登場したSLSで、300SLを彷彿させるガルウイングドアと、6.2ℓの自然吸気V8を備えていた。その後継にあたるのが、2014年に登場した2座スポーツモデルのメルセデスAMG GTである。いずれもメルセデスの既存モデルをベースにしたものでなく、AMGが真っ白なキャンバスと潤沢な開発コストを与えられたなら、どれほどのことができるのかを示そうという試みの結果だ。それらは、アファルターバッハをAMGの名を持たないラインナップのエンジニアリングにも関与させるべきだと、メルセデス首脳陣に思わせるまでに至った。
しかしながら、今回テストするAMG専用モデル第3弾は、いくつかの点で毛色の違いを見せるモデルだ。堂々たる体格とメルセデスAMG GT 4ドア・クーペというややこしいネーミングはともかく、この4ドアのスポーティなGTカーは、アファルターバッハ風味を存分に感じさせつつも、ベントレー・コンチネンタルGTとポルシェ・パナメーラほども違うクルマとして計画されたのである。
AMG専用モデルとしては初の4シーターであるこのクルマは、多少なりとも彼らの守備範囲を拡げるが、これがまっとうなGTカーであるなら、かつてのSLSや2ドアのGTとは必然的に異なるものとなるだろう。その違いがいかなるものか、このロードテストではその点も検証していきたい。