フォルクスワーゲン・ゴルフGTD
公開 : 2013.06.08 18:15 更新 : 2017.05.29 18:58
■どんなクルマ?
通常であればゴルフGTIの倍のセールスを記録するのが、このフォルクスワーゲン・ゴルフGTDだ。7代目ゴルフのGTDは、先代の168bhpから181bhpに、そしてトルクも38.7kg-mにまでアップされた4気筒2.0ℓのターボ・ディーゼル・エンジンを搭載し、0-100km/hが7.5秒というパフォーマンスを示しつつも、そのCO2排出量は109g/kmと低い。
■どんな感じ?
スポーツ・バンパーとサイド・シル、ハニカム・フロント・グリル、フロント・エアダム、18インチ・アロイホイール、リップ・スポイラー、リア・スポイラー、そしてGTDバッジなどがスタンダード・モデルと異なるところだ。目的にあった装備だが、決して派手ではない。それは多くのオーナーが望むスタイルとも言える。
インテリアも、古典的なタータンチェックのシートと、スペシャルなステアリング・ホイールとインストルメント・クラスター、そしてゴルフ・ボールのギア・レバーなどが、特別な装備として設えられている。
車高が落とされ固められたサスペンションと、XDSリミテッド・スリップデフ、そしてパワーオン・アンダーステアを解消するトラクション・コントロール・システムがセットされる。また、GTIから移植された強化されたブレーキと、バリアブル・レシオのステアリング・ホイールも与えられている。
高い出力を誇る4気筒ディーゼル・エンジンは、実に洗練されている。レスポンスにも優れ、力強い加速を見せてくれる。スロットルを開ければすぐにフラットなトルクが発揮されるのだ。ディーゼル・ユニットは、3500rpmを過ぎると活発さが薄れるから、実際にはミッドレンジを上手く使ったほうが良いエンジンだ。
新しいプログレッシブ・ステアリングは、通常のスピードでは恐ろしくダイレクトなフィーリングで、アンダーステアとは無縁だ。グレーと言うほどまではいかないが、シャシー・バランスは良い。
われわれのテスト車は、オプションのACCアダプティブ・ダンパーが装着されていたが、コンフォート・モードでも低速からかなりしっかりとした乗り心地を提供してくれた。コンフォート・モードでは、ソフトで快適な乗り心地だし、スポーツ・モードでは先代ゴルフよりも遥かにスポーティな未知数の足を見せてくれる。
ハンドリングはエキサイティングとまではいかず、ガソリン・モデルのようにホット・ハッチといったキャラクターではないが、充分に速く、日常のドライブにおいては非常にバランスのとれた素晴らしいシャシーと言えよう。
■「買い」か?
クルージングでは23km/ℓ台の燃費をマークしつつも、十二分なスポーティ・テイストを持っているモデルである。確かにフォード・フォーカスSTと較べてしまうと、エッジが効いていないかもしれないが、プアなスペックのBMW120dや320dエフィシエント・ダイナミクス(こちらは装備は豪華だが)に対しては、充分にスポーティなアピールをもっている。
(マット・ソーンダース)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTD
価格 | £25,285(383万円) |
最高速度 | 229km/h |
0-100km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 23.8km/ℓ |
CO2排出量 | 109g/km |
乾燥重量 | 1377kg |
エンジン | 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 181bhp/6000rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/1750-3250rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |