ジャガー・ランドローバーに小型モデル? プラットフォーム、BMW 1シリーズ共通か
公開 : 2019.08.20 18:50 更新 : 2020.07.05 17:54
ジャガー・ランドローバーとBMWの提携がさらに拡大すれば、BMWの前輪駆動プラットフォームを使った小型のジャガーやランドローバーが登場する可能性も高まります。さらに次期型イヴォークやディスカバリー・スポーツも、BMW X1やミニ・クロスオーバーと従兄弟になるかもしれません。
もくじ
ー提携拡大はプラットフォームの共有化も
ージャガーから2種類の小型「ペイス」
ー電動化に対応するための提携
ー投資は将来向け技術開発に回す
ー共有化による大きなスケールメリット
ーフリーランダーの名前が復活
ー2025年以降も生き残るために
ーBMW製プラットフォームを使うJLRの新型車
提携拡大はプラットフォームの共有化も
ジャガーは2車種の小型クロスオーバーを投入し、SUVの製品ラインナップを拡大しようと計画している。減少している販売を強化するためだ。ジャガー・ランドローバーとBMWの提携拡大の一環として、これらのモデルにBMWのプラットフォームが使われる可能性がある。
電動パワートレインの共同開発から始まったジャガー・ランドローバーとBMWの提携はさらに拡大する見込みで、新しいエントリー・レベルのランドローバー車や、レンジローバー・イヴォークとランドローバー・ディスカバリー・スポーツの次世代モデルにも、BMWのアーキテクチャが使われるという予想もある。
両社の提携は既に水面下で拡がりつつある。AUTOCARが得た情報によると、BMWはJLRに直列4気筒と直列6気筒エンジンを、単体およびハイブリッド・システムとの組み合わせで供給する予定だという。
内燃エンジンの共有は、両社が協業をさらに大規模な段階へ進めようとしている可能性を示す。すなわち、次世代の小型車用プラットフォームの共有だ。
ジャガーから2種類の小型「ペイス」
2台の経済的な小型ジャガーは、既に開発の初期段階にあり、2020年代半ばの発売に向け、量産化の承認を持っているところだ。これらの2モデルには、BMWのFAARと呼ばれる新しい前輪駆動用プラットフォームがベースに使われる可能性があるようだ。
これらの2モデルは、小型のSUVとクーペ風クロスオーバーで、ジャガーのSUVファミリーに倣って「ペイス」という名前が与えられる見込みだ。
さらに、将来的に両社の協力関係が深まれば、2020年代半ばに登場する次世代型レンジローバー・イヴォークとランドローバー・ディスカバリー・スポーツが、次世代型ミニ・カントリーマン(日本名:ミニ・クロスオーバー)やBMW X1とプラットフォームを共有することも考えられる。
BMWとのプラットフォーム共有は、長年噂されているエントリー・レベルのランドローバー車が実現する可能性にもつながる。AUTOCARが昨年初めに報じたこのモデルには、フリーランダーという車名が復活するかもしれない。
電動化に対応するための提携
2025年から施行される厳しいEUのCO2規制に適合することは、JLRにとって一刻を争う急務だ。壊滅的な中国市場の失速は、同社にとって大きな障害となっている。また、ラインナップの再編と新型車の投入に向け、大型モデル用のMLAプラットフォームに巨額の投資が必要だった。そのため、前回の四半期決算では約380億円もの赤字を計上した。
しかし、これから投入される新型モデルが利益を生むと同社は信じている。これから発売される新型車には、復活するランドローバー・ディフェンダー、電気自動車となるジャガーXJ、第5世代の新型レンジローバー、大型SUVの新型ジャガーJペイス、そしてレンジローバー・シリーズの新しい電動クロスオーバーが含まれる。
JLRとBMWは今年6月、次世代車用の電動パワートレインを共同開発すると発表として業界を驚かせた。それからすぐに、内燃エンジンにも提携を拡大すると報じられた。
提携が発表された時、JLRのエンジニアリング・ディレクターであるニック・ロジャースは次のようにコメントしている。「この度重なる大きな変革に対応するため、両社とも次世代電動駆動ユニット(EDU)を必要としており、その共同開発は双方にとって有益な提携になるであろうことが、BMWグループとの話し合いで明らかになりました」
この抗うことのできない電動化への動きは、最も利益を上げている自動車メーカーにとっても大きな負担となっている。メルセデス・ベンツでさえ、新プラットフォームと電動化の開発費のために、多額の利益が消えると見ている。