フェラーリ/ポルシェ、落札額に異変 オークション・バブル前の価格に

公開 : 2019.08.25 17:50  更新 : 2020.12.08 18:00

フェラーリ、ポルシェの落札額に異変が。北米で開催されたボナムス・クエイルロッジ・オークションで、オークション・バブル前の値段まで下がりました。一方で、高値を維持した車種も。

ボナムス・クエイルロッジ・オークション解説

text: Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:BONHAMS

今年のモントレーカーウィークは、ペブルビーチ・コンクールが例年通り8月第3日曜日の開催に戻ったことから、12日から始まる第3週目に様々なイベントが開かれた。

オークションについては、15日のボナムス・クエイルロッジ・オークションが幕開けとなった。このオークションはモントレーのカーメルにあるクエイルロッジ・ゴルフクラブを舞台に開かれるモータースポーツ・ギャザリングの1プログラムとして行われるものだ。

「907万円で落札されたポルシェ911 2.0クーペ(1967年)」
「907万円で落札されたポルシェ911 2.0クーペ(1967年)」

モントレーでは、リーダー格といえるオークションハウスが、威信をかけた究極のモデルを取り揃えることで知られている。今年もRMサザビースとグッディング&カンパニーは例年通り極め付けといえる希少で高価なクルマを取り揃えたが、ボナムスは方向性を変えてきた。

一般のクルマ愛好家が手を出せる手ごろな価格帯のクルマを重点的に用意してきたのである。出品された222台の中で10万ドル(約1070万円)以下の車両は45%を占め、5万ドル(約540万円)以下は16%もあるという、フレンドリーな内容で行われたのだ。

値ごろなクルマが多かったことから落札率は約73%と好調だった。ここでのお値ごろ車は低走行車や超極上車ではなく、アベレージ・コンディションを中心に用意したもの。そのためモントレーのオークションとしては、バブル前に近い額で落札されたことに注目したい。

この傾向はフェラーリポルシェといった人気車種にも顕著に現れた。

値下がり傾向 フェラーリにも

落札額をフェラーリで見ると、ワンオフのヴィニャーレ・ボディを纏う1952年340アメリカ・クーペ・スペチアーレは相応といえる3億8713万円で落札されている。

しかし、330GTCは5000万円を切り、365GTC/4は約2000万円で終え、フロントエンジン2+2モデルは(最近の相場だったが)最低落札が高かったようで全滅し、308GTBは537~716万円で終えている。

「3.8億円で落札されたフェラーリ340アメリカ・クーペ・スペチアーレ(1951年)」
「3.8億円で落札されたフェラーリ340アメリカ・クーペ・スペチアーレ(1951年)」

ポルシェも同様で、一時期1000万円近かった912は466〜597万円と昔の値段に戻り、レアなソフトウインドウ・タルガの912でも824万円に留まった。

2リッター911のベース・グレードも656万円~1014万円と手が届くところまで落ち、911SC 3.0タルガの525万円をはじめターボを含む930系も以前の額に戻りつつある。またピーク時は3000万円を記録していた1989年911スピードスターも約半分まで落ちてきた。

しかし、人気のポルシェRS系は、以前ほどでもないが高値を保っているのが現在の状況だ。また、RS系に限らず“アイテム”といえるモデルの値落ちは緩やかである。

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