字幕付き ホットハッチ3台サーキット対決 最速はフィエスタ ヤリスも健闘
公開 : 2019.08.25 08:50 更新 : 2021.03.05 18:46
超小型ホットハッチ3台をサーキットで対決させました。速さだけで比べればフォード・フィエスタSTが最速、次点でヤリスGRMN、ミニは装着タイヤのグリップ不足もありやや遅いという結果になりました。しかし、楽しさではいずれの3台も甲乙つけがたいようです。
スーパーチャージャー付き1.8Lのヤリス
今回は楽しくなりそうだ。3台の速くて元気で小さなホットハッチをサーキットでノーズ・トゥ・テールで走らせる。エキサイティングになるだろう。最速の超小型ホットハッチはどれだろうか。
あちらに見えるミニクーパーSなのか、それともフォード・フィエスタSTか。わたしが乗るのはトヨタ・ヤリスGRMN、古典的なスーパーチャージャー付きの1.8Lエンジンを搭載する。今回は面白くなりそうだ。他の2台についていくのも楽ではない。
「君のミニのパワーはどれくらい?」
「192psだよ。つまり189bhpだね」
「フィエスタはどのくらいだったかな。180か170くらい?」
「200psだよ。英国風に言えば197bhpだ」
このクルマが気に入った。公道で乗っていないのでロードカーとしては評価できないが、サーキットではまさに見事だ。非常に良くバランスが取れ、とてもとても俊敏だ。パワーデリバリーはリニアで力強く路面を蹴る。ロータスがチューンした1.8LエンジンはホンダのVTECのようだ。
カーブを美しく駆け抜け、着実にミニを引き離せそうだ。非常にクールで素晴らしいサウンドだ。ミニを引き離すのにそれほど必死になる必要はなく、トラクションやスタビリティコントロールもオフにしていない。
ミニのパワーも十分でターボらしいトルクが魅力だ。しかしフロントのグリップが不足気味なようだ。ランフラットタイヤのせいかもしれない。
小さなヤリスがミニを引き離しにかかっている。ミニはパワーでも劣るが、タイヤのせいもあるだろう。ピレリのシンチュラートではグリップが足りていない。ハイパフォーマンスタイヤではなく、グリップで劣るのは当然だ。彼が膨らんでいくのが見えるが、わたしはそれほど難なくついていける。
ミニのタイヤはややグリップ不足
残念ながらそれほどしっかりグリップしてくれない。頑張ってはいるがフィエスタは離れない。僕のステアリングからはアンダーステアが伝わるが、おそらく彼は平気なようだ。トヨタにジリジリと引き離されるが、フォードはぴったりとついてくる。どこかで抜かれるかもしれない。
このミニの問題点はたくましさがないことだ。グリップ不足によりエイペックスで速度を維持できず、攻め込むとフロントが逃げがちになってしまう。
「君のクルマはグリップ不足のようだね」
「うん。苦しいから先に行ってくれるかい。勝機はなさそうだ」
「ありがとう」
フィエスタがミニの前に出た。追いつかれないように少し頑張ってみよう。楽しいクルマだ。
ヤリスとの距離は50mといったところだろう。追いつけるだろうか。わたしはハイグリップなミシュラン・スーパースポーツを履いている。物理的なグリップでは勝り、パワーは同等だ。彼を狩ることができるだろうか。このクルマの実力を試そう。
楽しいクルマだが、限界はある。攻めすぎると挙動が乱れ、荒々しい振る舞いを見せる。公道でのような満足感はない。
それにしてもフォードは速い。パディ・ホプカークでもこのミニではついていけないだろう。グリップが足りないのだ。
フィエスタはサーキットでは8割か9割くらいのペースが一番楽しめる。これはホッチハッチとしてはどうなのだろうか。攻め込むほどに楽しくなるのがホットハッチではないか。とはいえパフォーマンスは素晴らしい。ヤリスが徐々に近づいている。
このミシュランのグリップは非常に高い。ステアリングは正確でパワーもあり、シャシーバランスは扱いやすく、アンダーステアも多くはない。コーナー中盤でもラインを修正でき、非常に楽しめる。