車中避難 すべてのひとがやるべき7箇条 脚を組まない/睡眠薬NG 予防商品も

公開 : 2019.09.13 19:12  更新 : 2019.10.16 09:41

台風15号を起因とする、千葉県の大規模停電。発生から5日たってもまだ、復旧してないところが多いです。車中避難をする場合の気をつけること、予防商品に触れます。

水分補給/4〜5時間置きの軽い運動、以外にも

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

スマホや携帯の充電ができて、条件によっては涼しく快適な空間を得ることもできる車中避難。

鍵のかかる個室でもあるためプライバシーを確保できる利点もある。

車中避難には、良い点と悪い点がある。
車中避難には、良い点と悪い点がある。

しかし、長時間、狭い空間で姿勢を変えずにいることは、血液の流れを悪くして肺血栓症など、体調不良から命に係わる病気を引き起こすこともある。

実際、2016年の熊本地震では震災関連死約200名のうち3分の1にあたる60名が車中避難をしていたことがわかっている。

2002年に正式設立となった「日本旅行医学会」では、車中泊、車中避難をするすべてのひとのために「やるべき7箇条」を提言している。

日本旅行医学会学会誌第4号「ロングフライト血栓症の7つの基本予防策」を車中泊用に改編したものだが、脚を組まないことや睡眠薬の使用NGなど、あまり知られていないことも含まれている。

また、女性や高齢者をドア側に座ってもらうことも重要だ。自分や家族の命を守るためにぜひ知っておいて欲しい。

次項で詳しくみていこう。

車中避難 すべてのひとがやるべき7箇条

1 4~5時間ごとに歩く

車外に出て散歩するのが望ましいが、クルマの中でもできる運動がある。座ったままでひざ周りの屈伸運動をする。

血栓症のもとになりやすいふくらはぎ周辺の血流を良くする効果がある。

2 上下運動と腹式深呼吸

4~5時間ごとに歩くことが望ましい。
4~5時間ごとに歩くことが望ましい。

車中で座ったままで、かかとやつま先の上下運動と腹式深呼吸を1時間ごとに3~5分行う

3 水分を摂る。ミネラルウォーターか薄いお茶が望ましい

今の時期なら熱中症予防のためにも水分補給はマストである。ビールやワインなどアルコール類は利尿作用を引き起こすので控えめに。

4 ゆったりした服装を心掛ける

男性はベルトを10cmほどゆるめる。女性は下着をゆるめ、ゆったりとした衣類を着用する。

体を締め付けるような下着は血行を悪くするのでNG。

5 足は組まない

血行を悪くするので、足は組まない。

クルマの中ではついやってしまいがちだが、左足と右足が当たる部分は血行が悪くなり危険。足を組んだまま眠ってしまうとさらに危険が高まる。

6 睡眠薬は使用しない

シートの凹凸が気になったり、クルマの周りを他人が歩いたり……。

車中という非日常的空間ではなかなか寝付けないというひとも多いだろう。睡眠薬を使って眠りに落ちたい……という気持ちもわかるが、血流を悪くする可能性がある。

不自然な姿勢で寝てしまう危険があるため、日本旅行医学会では車中泊時の睡眠薬使用を推奨していない。

7 女性や高齢者をドア側に配置する

これも非常に重要。女性や高齢者は遠慮もあってトイレに行く機会を減らすため水分を控える傾向が強い。

水分を控えていると体内の水分が不足し血液が固まりやすくなる危険がある。

トイレに行きやすいよう、また、車外に出やすいよう女性や高齢者はドア側に座ってもらう。

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