字幕付き動画 試乗 フェラーリF8トリブート 720psの488後継車
公開 : 2019.09.19 17:50
フェラーリF8トリブートにサーキットと公道で試乗しました。488GTBの後継車であり、ピスタゆずりのエンジンを搭載します。公道での使用を主に開発されており、凄まじいパフォーマンスを持ちながら毎日使える快適性が魅力です。
488GTBよりも6%速いコーナリング
今回試乗するのはフェラーリF8トリブート。488GTBの後継車だ。サーキットや公道で試乗し、その装備などについても解説しよう。
488ピスタゆずりのエンジンを搭載し、720ps、78.5kg-mを発生する。フェラーリ自慢のダイナミック・エンハンサー・プラスが改良され、ヨーの制御によりコーナリングが488GTBよりも6%速くなったとのことだ。
3代目となったターボ付きエンジンはラグがなく、アクセルを踏み込めばすぐに加速する。スリップコントロールはバージョン6.1になり、新たに導入されたCTオフのモードでは限界域でのオーバーステアが許容されるようになる。安全の範囲内でコーナーを楽しむことができる素晴らしいモードだ。
フェラーリはこのクルマのオーナーの大半が公道で使用することを想定しており、そこに最適化しているという。ピスタゆずりのエンジンや空力システムを採用しているが、あくまでもロードカーなのだ。
大人向けの快適で豪華な車内
インテリアは488ゆずりだが、各所に変更が加えられており、812風のエアベントや美しいレザートリムのほか、柔らかいカーペットが与えられている。より大人向けの快適で豪華な空間になっており、休日にこのクルマを使わない理由がないだろう。
7速DCTのオートモードは優秀で、ダンパーも段差をうまくいなしてくれる。エンジンはよく躾けられ、スポーツモードでは快適なクルーズができるだろう。とはいえこれはフェラーリであり、クルマの中心はもちろんエンジンだ。瞬く間に8000rpmまで回り、一瞬のうちに制限速度を超過してしまうだろう。
クルマの基本構造は488GTBと共通で、ルーフやドアなどは引き継がれているが、それ以外のボディパーツは空力性能の追求のため新設計されている。ヘッドライト上部のエアベントが前輪に空気を送り込むほか、オプションのカーボンホイールを選択すれば、トータルで40kg軽量化されている。
エアインテークも新設計され、従来のものはインタークラーとエンジンへの吸気を担っていたが、F8ではエンジン用により短い吸気経路が別に設けられている。後部を見るとF40のようなスリットが入ったポリカーボネート製リアウインドウや、F355や288GTOにも似た4灯テールライトが目につくだろう。
700ps級2シーターをお求めなら
エンジンはピスタと同様の3.9LのV8ツインターボで、チタン製コンロッドやフライホイールによりエンジンの慣性を低減している。年々厳しくなる排出ガス規制に適合するため、排気系統にはパーティキュレート・フィルターが取りつけられ、エンジン音も一部が失われてしまっている。
しかしこれに対応すべく、フェラーリはホット・チューブを開発した。これはターボ直後からCピラーを伝ってドライバーの左肩上方へとキャビンに響きを伝えるものだ。人工的でない自然な音で、スピーカーも介していない。非常に良くできている。
ギアボックスのパドルのレスポンスは良く、ステアリングもフェラーリらしい針のようなシャープさだ。さらにブレーキもフィーリングやレスポンスが改善され、ポルシェのレベルに近づいている。サスペンションの制御も素晴らしく、こんな荒れた路面でも滑らかにいなしてくれる。
700ps級の2シータークーペをお探しなら、間違いなく「買い」の1台だ。公道でこれほどのパフォーマンスを発揮できるクルマは他にないだろう。次期型はハイブリッド化が予想されており、こんなクルマに乗れる時代も長くは続かないはずだ。今のうちに乗っておくべきだろう。
詳細は動画にてお楽しみいただきたい。