ロードテスト アリエル・アトム4 ★★★★★★★★★★
公開 : 2019.10.19 11:50 更新 : 2019.10.29 21:01
とびきり速い「走るパイプ足場」が、新たなシャシーとターボユニットをゲット。色物扱いなところのあったスパルタンカーは、全方位で改良されて、このカテゴリーをリードするライトウェイトスポーツに昇華しました。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★★★
ー内装 ★★★★★★★★★☆
ー走り ★★★★★★★★★☆
ー使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★★★
ー快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★★★★
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★★★
はじめに
アリエル・アトム4という車名は、厳密に言えばこのクルマの実態を表してはいない。この英国製ライトウェイトマシンの、第4世代とは言えないからだ。
初代モデルの登場は前世紀末、すなわち2000年に、自然吸気のローバー製Kユニットを搭載し発売。数機種のバリエーションが用意され、最高で193psを発揮した。
2003年には、エンジンをホンダ製に換装したアトム2へ発展。最強モデルは304psを発生するスーパーチャージャー仕様だった。2007年のアトム3は、パワーソースを同じホンダユニットながらK20AからK20Zへ変更し、シャシーも改良された。
次のラインナップは2010年、ウイングを纏ったボディに、スズキのバイク用エンジン2基をベースとした8気筒を積んだアトムV8だ。25台限定で、15万ポンド(当時のレートで約2000万円)と高額だったが、3.0Lから507psを叩き出すそれを当時われわれは試乗して「とことんすばらしい」と評した。20数人程度で運営されていたクルーカーンの小規模メーカーは、まさに世界を打ち負かす一台を生み出したのだ。
2013年にはアトム3.5をリリース。過激すぎたV8からすればまともといえる2.0L直4はアトム3のホンダユニットの発展版で、機械過給版の最高出力は319ps。ヘッドライトが新デザインとなり、シャシーは剛性が向上した。当然ながら、走りはコンマ5に相当する程度の改善が見られ、アリエルのウェイティングリストはますますページを増やすこととなった。
と数え上げてみると、今回のテスト車は第6世代のアトムだということになる。そして、バージョン3.5との共通部品はペダルとフューエルキャップのみという触れ込みの全面刷新が図られたモデルだ。すばらしいことは間違いないだろうが、従来モデルを忘れさせるほど魅了してくれるのだろうか。乗る前から、期待は膨らむばかりだ。