復刻 アストン マーティンDB4 GTザガートに試乗 DBSザガートとペアで約8億

公開 : 2019.10.26 09:50  更新 : 2020.12.08 18:48

特注対応やレストアに対応するアストン マーティン・ワークスによる、2台目の復刻モデルが、DB4 GTザガート。1961年に誕生したレーシングマシンで、オリジナルモデルは13億円以上の高値がつくほど。シルバーストーンで試乗しました。

アストンDBSザガートとペアで約8億円

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
特注対応やレストアに対応するアストン マーティン・ワークス(AMW)による、ニュー・オールド・コンティニュエイション・モデル(新復刻生産モデル)として初めて生み出されたのは、DB4 GTだった。

そのAMWが2作目として選んだのは、より特別なDB4の進化モデル。ほぼ完璧なDB4 GTザガートのレプリカとなる。オリジナルは、イタリアのコーチビルダー(ボディ製造の職人)が手作りで生み出した、軽量なボディをまとったクルマだ。

アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション
アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション

今回復刻される台数はわずかに19台。ニューポート・パグネルに位置するアストン マーティン・ワークスの工場で生産される。間もなく登場するDBSスーパーレジェーラ・ザガートとペアで販売され、価格はセットで600万ポンド(7億9800万円)!

仮に復刻版DB4 GTザガートがその価格の半分だったとしても、世界で最も高いクルマであることには違いない。しかし、実はオリジナルモデルよりは遥かに安い。2018年、英国のオークションに出品されたDB4ザガート2 VEVは、1010万ポンド(13億4330万円)!で落札されているのだ。どんなひとが入札したのだろうか。

AMWを率いるポール・スパイアーズによれば、DB4 GTザガート・コンティニュエイションの購入者は、レプリカの参加も許されるヒストリックカー・レースに参戦する可能性が高いという。オリジナルの良さを悪化させない程度に、オーナー好みで塗装したり装飾トリムを変更できるそうだ。

アストン マーティンはオリジナルモデルのオーナーへ、4.7Lの6気筒エンジン単体の提供もするという。熱く走りすぎて、当時のエンジンを壊すことがないように。

忠実に再現しつつ、装備はモダナイズ

このDB4 GTザガートは、多くの国で公道の走行は許されない。英国でも同様で、今回試乗させてもらったのは、シルバーストーン・サーキットとなった。ここの一部、ストウ・サーキットはアストン マーティンが独占的に借用している。当然のことながら、DB4 GTザガートの試乗はとても特別な体験だった。

運転席からの眺めは、基本的には先に復刻されたDB4 GTと同じもの。黒いダッシュボードにはクロームメッキで縁取られた計器類が並び、美しいウッド製のステアリングホイールが伸びている。装飾はシンプルで控えめ。

アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション
アストン マーティンDB4 GTザガート・コンティニュエイション

復刻版となるDB4 GTザガートには、レース参戦を前提に、現代的な安全装置も付いている。ロールケージにバケットシート、ハーネスと消化器、バッテリーの保護装置。燃料タンクもレース仕様だ。だが残りの部分は基本的にオリジナルを忠実に再現している。

走りも充分に速い。アストン マーティンによれば、最高出力は控えめに見て385psとのこと。ピットからスタートダッシュを決めると、ホイールスピンを発生させるのに不足ないパワーが放たれる。直6エンジンは、ゆっくり走ろうとすると振動を発しギクシャクする。だがスピードを上げればすぐに滑らかになる。

復刻版DB4 GTと同じく、このDB4 GTザガートにも4速ドグミッションが付いており、確実に操作する必要がある。シフトダウンをスムーズに決めるには、エンジンの回転数も合わせる必要がある。

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