マイナーチェンジ アウディQ7 60 TFSIeクワトロ V6ガソリンとモーターで449ps

公開 : 2019.10.30 09:50

マイナーチェンジを受けた高級SUVのアウディQ7。プラグイン・ハイブリッド版のTFSIeには、V6エンジンとモーターによる、449psのシステムを搭載します。Q7らしい洗練性と快適性を、静かなで滑らかな走行からも味わえる仕上りといえそうです。

V6ガソリンとモーターの組み合わせで449ps

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
現在のアルファベットと数字を並べたアウディのモデル名の付け方にはしっかりしたルールがある。だがアウディQ7の、60 TFSIeという呼び方は正しいのだろうか。他のアウディのモデルと並べると少し不釣り合いにも感じられるが、非常にスムーズで優雅な走りを披露してくれるクルマではある。

マイナーチェンジ前のQ7の場合、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)モデルには、eトロンというサブブランドを付けた2.0Lの直4ガソリンエンジンと、3.0LのV6ディーゼルエンジンとの2種類があった。

アウディQ7 60 TFSIeクワトロ
アウディQ7 60 TFSIeクワトロ

だが2019年になってモデルレンジに大幅な見直しを加えたアウディ。マイナーチェンジに合わせて両モデルをなくし、PHEVとしては3.0LのV6ターボガソリン1本に改めた。

V6エンジンの最高出力は339psで、127psのモーターが組み合わされる。システム総合でみると、449psと71.2kg-mというたくましさだ。

このユニットは、ポルシェカイエンパナメーラベントレーベンテイガ・ハイブリッドにも使用されているものと基本的に共通。アウディA8 L 60 TFSI eクワトロにも、手を加えて搭載される見込み。

クワトロだから4輪駆動で、センターデフによって前後へ必要に応じてトルクが分配される。バッテリーは17.3kWhの容量を持ち、モーターの力だけで180km/hまでのスピードをカバー。EVとしての航続距離はWLTP値で40km以上だという。燃費と二酸化炭素の排出量データはまだ公表されていない。

高効率な運転をアクセルペダルが支援

EVモードでPHEV版のQ7発信させると、本来のQ7が持ち合わせる洗練性と快適性にマッチするように、ほぼ無音でスタートする。バッテリーのぶん車重は明確に増えており、挙動からは落ち着きを感じる。

走行時の主役が電気モーターからガソリンエンジンへと切り替わる際も、ほとんどドライバーは知覚できないほどにスムーズ。唯一、エンジンが作動する速度になると、アクセルペダルの踏み心地に抵抗感があることくらい。

アウディQ7 60 TFSIeクワトロ
アウディQ7 60 TFSIeクワトロ

EV状態での走行中にエンジンを始動するには、アクセルペダルへ少し力を込める必要がある。おかげでEVモードのままで走行させておくことも容易。加えてこのアクセルペダルの踏力の変化は、PHEV版のアウディQ7 60 TFSIeのドライビングで特徴的といえる機能も併せ持つ。

それが、アウディの予測エフィシエンシー・アシストと呼ばれるもの。地形や道路、周囲のクルマを認識し、最適なエネルギー管理のために、ドライバーへアクセルペダルを通じて減速のタイミングなどを提案してくれる。例えば、制限速度の低い都市部へ近づいたときには、事前にアクセルペダルを戻して滑走させるなど。

良く機能するシステムで、通常のドライバーよりエネルギーの管理は賢いはず。だがドラーバーによっては、少しおせっかいに感じるかもしれない。

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