試乗 トヨタ新型カローラ/ツーリング セダンとワゴン 価格/サイズ/内装を評価

公開 : 2019.11.04 19:50  更新 : 2021.12.28 00:16

新型カローラを試乗。セダンとワゴン、内燃とハイブリッド。車種・グレードによる走りの違いをレポートします。

どんなクルマ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

各社各様に命名されているが、新世代プラットフォームの大まかな狙いは共通している。

設計や生産行程、部品の互換性を高めるのが目的であり、具体的にはコストダウン。と記すと利益率優先にも思えるが、ユーザー側にはコスパの向上というメリットがあり、理想論なら「ウィン・ウィン」の関係になる。

ホイールベースを海外仕様に比べ60mm切り詰めた新型の日本仕様。
ホイールベースを海外仕様に比べ60mm切り詰めた新型の日本仕様。

とは言え仕向け地によって事情が異なるわけで、国際市場向けの共通化は弊害も予想される。例えば日本のユーザーにとって日本市場に特化して開発されたほうがユーザーメリットは大きい。そこで重要なのがローカライズだ。

新型に生まれ変わったカローラシリーズの見所の1つは日本市場向けのローカライズにある。最も分かりやすい違いはホイールベースである。

ベースとなるプラットフォームはTNGA-Cだが、欧米仕様のセダン/ワゴン(ツーリング)に比べるとホイールベースは60mm短い2640mmとなっている。ショートホイールベースの5ドアHB(スポーツ)をベースに開発された日本専用のセダン/ワゴン車体なのである。

因みにTNGA-C車をホイールベース別にまとめると、2640mm仕様が国内向けカローラシリーズとC-HR、2700mm仕様がプリウスと欧米向けカローラセダン/ワゴンとなる。

言い方を換えるならTNGAがあればこそ日本市場に特化した新型カローラが誕生したわけだ。

サイズの話 全幅1745mm

ショートホイールベースの採用は言うまでもなく、短全長化による駐車場や狭路の取り回しへの配慮。セダンは全長4495mm、全幅1745mm、全高1435mm。

そこで気になるのが全幅だが、5ドアHBより45mm狭い1745mmとなっている。

全幅は1745mm。従来型より50mm拡大している。
全幅は1745mm。従来型より50mm拡大している。

ドア厚の変更によるものだが、側面衝突やウインドウ収納性を維持するため、小径肉厚サイドインパクトビームなどの薄型化を図っている。結果、プリウスよりも一回りコンパクトな車体寸法を実現している。

それでもなお大きく感じるなら、従来型(アクシオ/フィールダー)も継続生産されているが、グレード設定からしてもこれはフリートユーザー向けと考えるべきだろう。

嗜好的な要素や時代性も含めてユーザーの実情を汲み取った車両開発は正にカローラの伝統そのもの! なのだが少々深読みが過ぎるような印象も……。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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