ポルシェ新ハイパーカー、F1ドライブトレインの採用か 鍵握るクロアチア「リマック」社
公開 : 2019.11.29 11:05
ポルシェ新型ハイパーカーの情報が入ってきました。開発が中止されたハイブリッドのF1ドライブトレインが生き返るかもしれません。投資を続けるクロアチア「リマック」社が鍵を握っていると考えます。
新ハイパーカー、F1プログラムのHVか
ポルシェはラインナップの頂点に位置するハイパーカーの開発計画を再度認め、モータースポーツ活動とロードカーの関連について少しだけ明らかにした。
既に中止したF1エンジンプログラムで開発されたハイブリッドドライブラインが新しいハイパーカーで採用される可能性がある。
ただアストン マーティン・ヴァルキリーのライバルとなるポルシェのハイパーカーはコンセプトレベルであり、2023年以前のデビューはない。
ポルシェ会長オリバー・ブルーメの今年のコメントに沿うように、ポルシェ・ヴァイザッハ技術センターの信頼できる情報筋は以下のように述べた。
「918スパイダーの後継となる新しいハイパーカーがピュアなEVとなるかハイブリッドドライブトレインとなるかはポルシェの取締役メンバーが決定します」
ブルーメが3月のジュネーブモーターショーで最初に示唆したポルシェ・ハイパーカーは、新しく発表された99XフォーミュラEレースカーを大幅に上回るような先進のピュアなエレクトリックドライブトレインを持つものとされていた。
ピュアなエレクトリックドライブトレインの計画は大幅に後退。全固体電池技術の進歩が予想より遅れていると内部調査が結論付けたためだ。
全個体電池はポルシェの未来のフラッグシップに「重量、効率、航続距離におけるEVの新たな基準」を提供することになっていた。
次の10年の後半まで新しいモデルを生産するために必要な全固体電池の生産量が確保できないため、全個体電池の技術は利用することができない。
次のハイパーカーのための代替計画
現在、ポルシェは次のハイパーカーのための代替計画を立てていると言われている。
新たな選択肢はポルシェモータースポーツが開発した先進的なプラグイン・ガソリンエレクトリック・ハイブリッドドライブトレインだ。
ポルシェがエンジンサプライヤーとしてF1に復帰するための開発であったが、F1復帰は中止された。
ハイブリッドドライブトレインが採用された場合、ポルシェのハイパーカーは同じF1ドライブトレインテクノロジーに支えられたメルセデスAMG Oneと正面から闘うことになる。
ルマンの新しいハイパーカーレギュレーションとIMSAのDPiレギュレーションの下で、ポルシェが最新のドライブラインパッケージを提供できる可能性もある。
今年の初め、ポルシェのモータースポーツ責任者であるフリッツ・エンツィンガーは、LMP1へ有能なエンジニアを40人をチームで派遣していたことを明かした。
チームの役割はLMP1の運営から6気筒エンジンおよびハイブリッドドライブシステムの開発プログラムにまで及んだ。期間は918スパイダーが生産を停止してから2年後の2017年までであった。
新しいポルシェエンジンは、ルマンで優勝したポルシェ919レースカーで使用されていたV4ユニットの代替として、当初2.0L程度の排気量を想定していた。その後、排気量はF1仕様の1.6Lに切り替えられたと、AUTOCARは確認した。