【M・ベンツCLAクラス試乗】CLA 200 d 新型ディーゼル・クーペの価格/内装を評価

公開 : 2019.12.07 12:10  更新 : 2021.12.28 00:12

メルセデス・ベンツ新型CLA、ディーゼル車に試乗。全長/全幅はCクラスと同等。「Bクラス・セダンと展開してもいいくらい」とレポートされています。

どんなクルマ? どんなサイズ?

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)

源流にはクラウンやセドリックなどの4ドアHT(ハードトップ)人気があるのだが、4ドア・クーペの始祖といえば1985年に登場したカリーナEDだろう。

同車のヒットによりマツダからペルソナ、ニッサンからプレセアなどの同コンセプト車が登場し一大市場を築いていく。

メルセデス・ベンツCLA 200 d
メルセデス・ベンツCLA 200 d

そして30年の時を経て再興を迎えることになる。その火付け役となったのがメルセデス・ベンツCLSクラスである。ボディ形状は昔風に言うならピラードHT。深く傾斜しトランク部との連続性を持たせたリアピラーによるクーペフォルムを特徴とする。

他社から同コンセプトのモデルが続々と登場したことを考えれば、成功か否かは語るまでもない。

このCLS同様のコンセプトでAクラスをベースに開発された4ドア・クーペがCLAクラスだ。狙いは外観で一目瞭然だが、メルセデス・ベンツの真面目さを実感するモデルでもあった。

車体寸法をAクラス・セダンと比較すると全長が140mm長く、全幅が30mm拡大され、Cクラス・セダンとほぼ同サイズとなっている。

内装/後席 実用性も両立

セダンより格上の4ドア・クーペなら当然とも思えるが、不可解に感じられるのは全高である。

Aクラス・セダンと変わらないのだ。クーペフォルムと言えば実用系に対してワイド&ローが基本。「ワイド」は当て嵌まるが、「ロー」ではない。

メルセデス・ベンツCLA 200 dの後席
メルセデス・ベンツCLA 200 dの後席

後席に乗り込むと意外と広い。狭くないというのが正しいかもしれないが、レッグスペースはAクラス・セダンと変わらず、ヘッドルームは多少狭くなるが、実用性に決定的な影響を与えない。

サイド・ウインドウからの見晴らしや圧迫感は強めでも、同クラスのセダンと比較して大きく劣る部分はない。Bクラス・セダンとして展開してもいいくらいだ。

Aクラス・セダンから延長された全長のほとんどは、リア・オーバーハングの拡大に回される。ルーフラインから連続的な曲面を構成するリア・ウインドウまわりは、延長されたリアデッキへと繋がる。そのため、後席居住空間への悪影響は最小限となった。

クーペ的フォルムの実現のためキャビン後部を前側に潰すのではなく、後方に延伸させたことで実用性との両立を図ったわけだ。最新ファッションを着こなす品行方正な優等生といったモデルなのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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