【3億円越え】マクラーレンF1後継車、詳細情報 ゴードン・マーレーが2020年発表
公開 : 2019.12.16 11:58 更新 : 2019.12.16 16:44
1990年代の名車マクラーレンF1を手がけた伝説的デザイナー、ゴードン・マーレーが、革新的なアクティブエアロパッケージを備えた新スーパーカーT50を来年5月に発表します。2022年に125台のみ生産予定。
3.4億円の“アナログ・ハイパーカー”
ゴードン・マーレーは、5月に革新的なダウンフォースを実現するT50「ファンカー」の量産仕様バージョンを発表する予定。
マーレーの新しいダンズフォールド工場で生産予定の230万ポンド(3.4億円)の“アナログ・ハイパーカー”は、発表後すぐにプロトタイプを製造し、開発段階に移行、2021年に量産車の生産が始まる。
生産が計画されている125台(ロードカー100台とトラックカー25台)は、2022年の初めに新しいオーナーの手にわたる。生産期間は1年間の予定。
T50の肝となるエアロダイナミクス・パッケージは、シルバーストンを拠点とするレーシング・ポイントF1チーム(旧フォース・インディア)の支援を受けて開発されている。
移動式風洞実験設備へのアクセスに加え、F1トレーニングを受けた技術者の専門知識により、大規模モデルを使用してT50の革新的なアクティブエアロパッケージを改良することができる。
運転席を中央に配置し、その両側に同乗者用の座席を備える3人乗りのこのクルマは、50年間にわたるマーレーの輝かしいキャリアで最も象徴的な2つのデザイン、1992年の独創的で超軽量な「マクラーレンF1」と1978年グランプリカー、ブラバムBT46B「ファンカー」を兼ね合わせたものとなっている。
ブラバムBT46Bは、その並外れたレベルのダウンフォースでいきなりF1で優勝したが、ライバルの反対にあい直後にレースから締め出されている。
F1のパッケージングとテクノロジーを引き継ぐ
T50の最も大きな特徴は、リアに取り付けられた400mmの電動ファンで、クルマの下から空気を抽出し、ダウンフォースとグリップを増やす。
エアロのセットアップは、6つの異なるモードで構成される。2つのモードはオートマティックで、残りはドライバーが選択できる。
非常に滑りやすいストリームラインモードからハイダウンフォースまであり、さまざまな安定性とトラクションが選べる。
昨年の夏、T50にF1のパッケージングとテクノロジーの多くが使われることが明らかになった。マーレーはそれが1番良い方法だと考えたからだ。
新しいカーボンファイバー製のボディに、コスワース製造の4.0LのV12自然吸気エンジンをミッドシップに搭載している。
最高出力は650ps、エンジン回転数は1万2100rpm、許容回転数は1万2400rpm。これまでで最高の回転数を誇るロードカーエンジンとなる。
実験バージョンは、ダイナモメーターでフルスピードで実行され、その排気音はいかにも高出力エンジンらしい。
エンジンのフロントには、48Vインテグレイテッド・スターター/ジェネレーターがクランクシャフトに直接接続されてる。
スターターモーターとして機能し、その後は最大8000rpmの速度で軽量ファンを回転させるために必要な電力を作る。
エンジンはボディの非常に低い位置に取り付けられている。
トランスミッションはXトラック社が製造する後輪駆動のHパターン6速マニュアルギアボックス。
マーレーは、ほとんどのユーザーはスティックタイプのシフトを好むだろうが、好まない人にはパドルシフトを使う予定となっている25台のトラックカーを勧めたいと言っている。
乾燥重量は980kg。ストロング・ハイブリッドを採用しない理由は、重量が大幅に増えてしまうためだとマーレーは言う。
T50はF1より全長が60mm長く、全幅が30mm広い。全長/全幅は、フォルクスワーゲン・ゴルフとほぼ同じサイズ。
「私たちのようなやり方でスーパーカーを作る人は、ほかにはいないでしょう。幸せだと思います」とマーレーは言った。