【憧れ? 日本では未導入】初代アウディRS3 よくある不具合は? 「音」に注意を
公開 : 2020.01.05 08:50
日本へは未導入でしたが、寒い冬でも体温を上げるのに充分なホットさを備えた、初代アウディRS3。高性能が故に、血圧が上がりそうな落とし穴に引っかかる前に、予備知識と事前確認が欠かせないことは、アウディでも変わりません。
英国では発売と同時に完売の人気
アウディの「RS」のエンブレムが誇らしい、初代アウディRS3。シャシーのオリジナルは2003年にまで遡るが、2011年から2012年にかけて英国へ導入されたクルマは、店頭に並ぶ前にすべてが売約済みとなった。2012年の後半には、要望に答えて追加生産されている。
AUTOCARでのレビュー内容は冴えないものだったが、熱い支持に影響はなかったようだ。搭載されるエンジンはTT RSにも通じる2.5Lの5気筒ターボエンジン。最高出力340psで、最大トルクは1600rpmという低回転域から45.8kg-mがモリモリと湧き出る。
トランスミッションは7速のデュアルクラッチAT、Sトロニックで、駆動方式は4輪駆動のクワトロ。ローンチコントロールも備わる。
新車価格は4万ポンド(560万円)程度だったが、同時期のTT RSより数千ポンド(数十万円)は安かった。TTと比較すればボディにはドアが2枚多く付き、荷室空間も広かったから、価格的な魅力は高かったといえる。
アウディは10.9km/Lの燃費を主張していたが、AUTOCARでのテストでは9.9km/L。気張って走ると3km/L代にまで落ち込むことも。
健康な車両なら燃費は今もそれほど変わらないはずだが、価格はかなりこなれている。英国で探せば、1万5000ポンド(210万円)位から見つかるだろう。
例えば、2012年モデルで10万kmの走行距離、ディーラーでの整備記録が揃ったクルマも見つかったけれど、これは事故車だった。保険会社から売却されたクルマで、修復済みだがステアリングやサスペンションにも損傷が及んでいた可能性はある。
価格につられてハズレを引かないように
アウディRS3に限らず、中古車を購入する際は充分な配慮が必要だという良い例だ。クルマのマイナス点を上回る魅力に惹かれたのなら、充分な知識で身を守る必要がある。
同じくらいの金額で無事故車もなくはないが、大抵は走行距離がかなり多い。1万7500ポンド(245万円)を超えてくると、程度も良く走行距離もほどほどなクルマが出てくる。
個人売買で付けられている価格は少し強気なものが多い。そのぶん、目星をつけたクルマのオーナーに、ドライビングスタイルやメンテナンスの経過に関して質問ができる。新車時からのオーナーなら尚良い。
初代アウディRS3の生産期間は2年と短く、エクスクルーシブ・エディションなどの特別仕様車は期間を通じて変更がなかった。車両状態やスペックなどと比べて、登録年はさほど気にする必要はないだろう。
英国では1万8500ポンド(259万円)を超えた辺りから、装備や状態が目立って良くなる。オプションのシートやアルカンターラ・インテリア、ダイヤモンドカットの美しいホイールなど、価格なりの魅力的な内容だ。2万ポンド(280万円)を超えると、走行距離は8万km以下に短くなる。
チューニングを受けたクルマは多くはないが、専門家によれば、状態が良ければパワーアップもまったく問題ないという。今回探した中には400ps以上にチューニングしたクルマが含まれていた。
積極的に運転を楽しみたいというドライバーの場合、より感触の豊かなステアリングと、機敏なシャシー設定が欲しくなる可能性はある。すべてを同時に得ることは、いつものように難しいのだ。