【排ガス規制対応】メルセデス・ベンツ、AMGモデル能力75%削減の要求を無視
公開 : 2019.12.24 16:50
厳しい欧州の排ガス規制に対応するため、AMGモデルの能力の75%削減を期待するディーラーに対し、メルセデスが返答をしていないと報じられています。EVやハイブリッドの採用の動きはありますが、もっと大がかりな規制対応が迫られているようです。
AMGモデルの能力の75%削減を期待
メルセデスは、AMGのパフォーマンスを4分の1減らすことで、厳しい欧州の排ガス規制の目標を達成できる可能性がある。
フィナンシャル・タイムズは、厳しい欧州の排ガス規制の導入によって、CO2排出量を現在の138g/kmから100g/kmへ削減しなければならない場合、メルセデスはそのパフォーマンスを縮小するしかないと報じた。
AMGモデルは、メルセデス・ベンツの通常のモデルよりも、非効率で大きなパワートレインを使用していて、環境に与えるインパクトも強い。
フィナンシャル・タイムズは、複数のメルセデスのディーラーが、AMGモデルの能力の75%削減を期待していると報じている。
メルセデスのパフォーマンスモデルは、かなりのプレミアを持っているが、その存在は自動車メーカーの平均CO2排出量削減の妨げとなっている。
このような動きは、3.0Lのエンジンを搭載したクルマの販売が制限されるなど、メルセデスの主流のラインナップにまで影響を及ぼす可能性がある。
3.0L直列6気筒でのみ利用可能な、新しいGLEクーペなどのモデルの、パワートレインの変更が強いられる可能性がある。
これに対し、メルセデスのスポークスマンは「メルセデス・ベンツは将来の明確なパワートレイン戦略をもっており、メルセデスAMGは、重要な戦略的柱である」
「2020年に最初のプラグイン・ハイブリッドが、それに続いてEVパワートレインを搭載した新しいモデルが発売され、メルセデスAMGもCO2排出量削減に貢献できます」と述べたが、ディーラーのコメントに対しては直接応えなかった。
CO2排出量削減への対応
今年初め、AUTOCARは、2022年に登場する次世代のC63パフォーマンス・サルーンが、現行モデルの最高出力510psの4.0L V8エンジンを、2.0L直列4気筒ターボ・エンジンのハイブリッド・バージョンに交換すると報じた。
モーターの大部分は、最新のA45ホットハッチバックに搭載されている新しいM139ユニットがベースになっている。
これは、市場に出ている4気筒エンジンの中で最もパワーがある。
メルセデスが他のメーカーと組んで、CO2排出量を削減し、EUが課す罰金を回避することもできる。
テスラのゼロエミッションモデルを自社のものとしてカウントし、平均CO2排出量を引き下げる狙いで、FCAは4月にテスラと契約を締結した。
メルセデスは、割り当てられた平均CO2排出量削減の要求を満たすために、抜本的なラインナップの変更を余儀なくされているメーカーの1つだ。
メルセデス初のEVモデル「EQC」が発売され、より安価な「EQA」も間もなく登場するが、従来のガソリンエンジンの環境への影響を、少量のEV販売で相殺するのは難しい。
マックス・ウォーバートンはフィナンシャル・タイムズに対し、2021年に昨年と同じモデルを販売した場合、自動車メーカーは250億ユーロ(3兆円)の罰金を科せられることになると話した。