【ボンドカーはいまが底値?】アストン マーティンDBS 手に入れるべきは好みの1台

公開 : 2020.01.02 08:50

2006年にボンドカーとしてスクリーンデビューを飾り、現役時代からこれまで高い人気を誇ってきたアストン マーティンDBSですが、いま市場には変化が訪れているようです。それでも、専門家はこれ以上の値下がりは考えづらく、まさにいまが買い時だと言います。

ボンドカー 市場に変調

最近007シリーズ最新作のタイトル、「ノー・タイム・トゥ・ダイ」が発表されたことで、思わず2006年のことを思い出すかも知れない。

ダニエル・クレイグが初のボンド役を務めるととともに、当時最新のボンドカー、アストン マーティンDBSがスクリーンデビューしたのがこの年だった。

アストンDBS中古車バイヤーズガイド
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映画の影響により、DB9をベースに生み出されたこの新型クーペは大ヒットを記録している(あるディーラーではわずか8台の割り当てに対して、30台ものオーダーが殺到したという)。

2年後の2008年には、リーマン・ブラザーズの破綻に端を発する世界的な金融危機が発生したものの、このクルマに対する需要は衰えず、これまでユーズドモデルも高値を保ってきた。

だが、DBSの市場在庫数が初めて増加し、ユーズドモデルの価格にも押し下げ圧力が掛かっているようだ。

その理由?

市場が自信を失いつつあることに加え、DBSより新しいものの、あまり人気のないアストン製モデルにおける大幅値引きの影響といったものが考えられる。

さらに、より新しくより手ごろなプライスタグを掲げたヴァンテージに比べ、DBSは時代遅れなモデルに見える。

フィッシャー・パフォーマンス・カーズでセールスマネージャーを務めるステファン・ジョーダンは、2018年2月のことを思い返している。

当時彼は、顧客が所有する2011年モデル、走行距離1万8000kmのカーボンブラック・タッチトロニックIIを11万8000ポンドで売りに出していたのだ。

「いまは買い手市場」

当初彼は11万ポンドという販売価格を提案したものの、この顧客は11万5000ポンド以下の値段では納得しなかった。

だが、結局ジョーダンがこの車両の売却に成功したのは先週のことであり、アストンとその市場動向に詳しいあるコレクターが8万5000ポンド(1211万円)でこのクルマを手に入れている。

アストンが誇る自然吸気V12は517psを発揮する。
アストンが誇る自然吸気V12は517psを発揮する。

「現在は買い手市場です」と、ジョーダンは話す。

「ある大手中古車サイトでは約40台のDBSが売りに出されています。1年前の2倍以上の数です。その結果、価格には下押し圧力が掛かっており、この状態に気付いていなかった売り手は皆ショックを受けています」

「それでも、これ以上値下がりが進むとも思えません。だからこそ、件のコレクターの方はわたしの顧客の車両を直ぐに購入なさったのです」

だが、経済の話はこれで十分だろう。

DBSの発表は2007年に行われているが、最初の車両が実際の路上にデビューしたのは2008年のことだ。

DBSはDB9をベースにしていたものの、より軽量なモデルに仕上がっていた。

セラミックブレーキとアダプティブダンパー、そして20インチホイールを備えたこのクルマの5.9L V12エンジンは、当時のDB9を41ps凌ぐ517psを発揮している。

初期のDBSはマニュアルギアボックスを備え、ふたつのシートにパーセルシェルフを組み合わせたクーペモデルであり、2+2バージョンは1万1000ポンドものプライスタグを掲げた、ほとんど誰も選択することのないオプションだった。

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