【積雪時、要注意】布製チェーンでスリップしまくり 水分の多い雪には不向き 輸入元/メーカーの意思は

公開 : 2019.12.31 07:20

いわゆる布製チェーン。取り付けはシンプルで、心づよく思えそうですが……。実際に走ってみると、そんなことはありませんでした。「オートソック」の輸入元と自動車メーカーに周辺事情を聞いてみました。

トレッド面に雪が貼りついてスリップ

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

いわゆる布製チェーン。ドイツ車メーカー含む多くの欧州車メーカーや国産車メーカーが純正採用していたので、筆者も何の不安を感じる事無く、アマゾンで「オートソック」を購入した。

「オートソック・ハイパフォーマンスHP-600並行輸入品」という製品だった。

トレッド面に雪がべったりと貼りついていた。
トレッド面に雪がべったりと貼りついていた。

緊急用に購入して約1か月後、首都圏に大雪が降った。意外と早くオートソックの出番が来たのだ!

駐車場でオートソックを取り付けてみる。とても軽くて簡単!

早速試してみるべく、雪かきグッズを買いに片道5kmのドン・キホーテに向かった。

大通りに出るまでは雪が結構深くて最低地上高12cmのアルファ・ロメオ916スパイダーはゴリゴリと雪をかき分けて走る。

オートソックなかなかいい。がっちり雪を掴んで、スリップすることなく普通に走れている。

しかし……。交通量の多い大通りに出て間もなく、路面はシャーベット状の雪となりタイヤが滑り始めた。

オートソックが外れた? と思って、駐車場で恐る恐るタイヤを見たが、ちゃんとついていた。

しかしトレッド面に雪がべったりと貼りついていた。滑る原因はこれか?

少し検索してみると、筆者と同じような経験をした人のブログや商品レビューが数件見つかった。中には、タイヤのトレッド面全面を覆うように雪が貼りついている写真もあった。

これではグリップ力など皆無だろう。むしろオートソックがない方が良いのかも?

水分の多い雪には向いてないのでは?

オートソックは水分の多い雪には向いてないのではないか?

ヨーロッパの乾いた圧雪路では抜群のグリップ力を発揮するかもしれないが。

ワダチのついていない新雪が降り積もっている場所では抜群のグリップ力を発揮した。  しかし……。解けはじめの水分を多く含む雪の上では少し走っただけで雪がトレッド面に張り付いて滑りまくる。
ワダチのついていない新雪が降り積もっている場所では抜群のグリップ力を発揮した。 しかし……。解けはじめの水分を多く含む雪の上では少し走っただけで雪がトレッド面に張り付いて滑りまくる。

しかも、家に帰って外した左前輪のオートソックを良く見ると……。穴が開いていた! まだ数kmしか走ってないのに? 擦り切れて中の黒い生地が露出していた。

そして6年後、再び出番が来た。

2018年1月の大雪だ。オートソックが滑って危ないことはわかっていたので、駐車場の空いたスペースで金属チェーンとの比較をしてみた。

オートソックは本当にダメなのか? 再度確認するつもりだった。

結論から言うと、ワダチのついていない新雪が降り積もっている場所では抜群のグリップ力を発揮した。

しかし……。解けはじめの水分を多く含む雪の上では少し走っただけで雪がトレッド面に張り付いて滑りまくる。

さらにタイヤが濡れている時は着脱が途方もなく大変。

こんな商品がメーカー純正になっていて大丈夫なのだろうか?

オートソックの販売サイトをあれこれ見てみたが、どこも、「ベンツ、VW、BMWトヨタホンダ日産…国内外の大手メーカーが純正に採用しています」などと書いてある。

並行輸入品も純正品も同じサイズなら違うのはパッケージだけで中身は同じ。

メーカー純正となれば、信頼性は絶大。危険な製品を販売するはずは絶対ないからだ。

おすすめ記事

 

人気記事