【選ぶなら6速MT】ホンダ・シビック・スポーツライン 1.0L 3気筒 英国試乗
公開 : 2020.01.07 09:50
シビック・タイプRを想起させるアグレッシブなスタイリングを得たシビック EXスポーツ・ライン。フォード・フォーカスやセアト・レオンに並ぶ選択肢として、マイナーチェンジで装備面でも充実が図られました。英国での評価です。
タイプR風のスタイリングをまとう
今回試乗するのは、英国仕様の新しいホンダ・シビック EXスポーツライン。ハードコアなパフォーマンスを持つシビック・タイプR風のスタイリングが好みでも、そこまで激しい走りは必要としないドライバーに向けた、ファミリーカーだ。
シビック・タイプRのライト版とか、タイプR風仕立てといったところ。従来まで英国のシビックのスポーツラインはSRというトリムグレードがベースになっていたが、2020年からは変更。より上級のEXトリムグレードをベースにしている。
そのため価格は10%以上も上昇。2019年モデルは2万2750ポンド(318万円)だったのに対し、2020年モデルは2万5510(357万円)からとなっている。そのかわり標準装備も充実はしている。
アダプティブ・ダンパーとヒートシーターは標準装備。競争力のある安全運転支援システムも搭載されている。
もちろん、ルックスもスポーティさを強調。グロスブラックの17インチ・アルミホイールに、リアスポイラーやアグレッシブなボディキットをまとう。インテリアには鮮やかなステッチが施されている。
といっても、近眼の人がメガネを外しても本気のタイプRと見間違うことはないだろう。それがポイントでもあるはずだ。
以前と同じように、シビック・スポーツラインで選べるエンジンは一択。1.0Lの3気筒ガソリンターボのみだ。トランスミッションは6速MTかCVTの設定で、前輪駆動となる。
控え目な125psエンジンを引き立てる6速MT
見た目とは裏腹に、最高出力は125psと控え目。タイプRの半分にも及ばないが、これも敢えてのことなはず。最大トルクは6速MTなら20.4kg-mで、CVTなら18.3kg-mに設定される。選ぶならマニュアルとなるだろう。
CVTの方がやや燃費では有利で、NEDCサイクルの値で見ると二酸化炭素の排出量に準じる税金もわずかに安い。それでもドライビングは、6速MTの方が遥かにシャープ。
ホンダ製の6速MTはとにかくできが良い。精巧なメカニズム感があり、正確で感触も優れている。操作する喜びがとても高く、おかげでエンジンも良く感じられるほど。
3気筒ユニットは低回転数ではトルクが細いが、一度回転数を上げてしまえば夢中になる勢いで吹け上がる。同時に奏でるサウンドも良い。飛び抜けて速く走れるわけではないものの、充分に軽快な走りを楽しむことができるエンジンだ。
対象的にCVTは古い悪癖を残している。アクセルペダルを踏み込むと、5000prmから5500rpmという高回転域を不要に保つ傾向がある。
マニュアルではスピードの高まりとともにエンジンのサウンドが変化し、聴覚でも個性を楽しむことができる。それがCVTの場合、変化の乏しいノイズに聞こえてしまう。
ただし車内の防音性はとても良好。エンジンノイズやトランスミッションの回転音は、不快に感じるほどの音量で届くことはない。