【最高額はパガーニ】ウアイラ・ロードスター、2.6億円で落札 RMサザビーズ・オークション解説 後編

公開 : 2020.01.29 17:50  更新 : 2021.10.11 09:28

「パガーニ・ウアイラ・ロードスター」に、2億円を超える入札が。落札率89.4%という好結果に終わった、RMサザビーズ・アリゾナ・オークション解説の後編です。

RMサザビーズ・アリゾナ・オークション

text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:RM Sotheby’s Auctions/Robin Adams、Josh Bryan、Courtney Cutchen、Jasen Delgado、Patrick Ernzen、Erik Fuller、Karissa Hosek、Juan Martinez、Andrew Miterko、Theodore W.Pieper、Nathan Leach Proffer、Darin Schnabel、Peter Seabrook、Drew Shipley、Kevin Uy、Zachery Walker

世界的なオークションハウスであるRMサザビーズ。2020年初の開催となるアリゾナ・オークションには、フェラーリなどの高額な希少車が数多く出品された。

それに加えて、全米のカーガイが集まるカーショーとともに行われたことから、マニア向けに戦前から近年までのアメリカ車が幅広く用意されたのが特徴だ。

高値No.1 2018年パガーニ・ウライラ・ロードスター(2億6189万円)
高値No.1 2018年パガーニ・ウライラ・ロードスター(2億6189万円)

フェラーリについては、RMサザビーズらしく、「1954年250エウローパGTクーペ・ピニンファリーナ」から「2018年GTC4ルッソ70周年限定車」までの19台が来場者を迎えている。

さらに、2台のディーノ246 GTSも用意されていた。

クラシック・フェラーリは不調

オークションを終えてみればクラシック・モデルのフェラーリは、330 GTC、330 GTS、365 GTB4デイトナ以外のすべてが流れてしまう結果に。

スコッツデイルにはこの種の50年代のラグジュアリー・モデルを狙っていたコレクターが来ていなかったのか。または、相場が上がり過ぎて、実体とバリューが乖離し始めてきたともいえる。

高値No.2 1967年フェラーリ330 GTS(1億8896万円)
高値No.2 1967年フェラーリ330 GTS(1億8896万円)

ここでの主役は新旧のアメリカ車だった。今やその名が消えてしまったメーカーのモデルも数多く用意され、ほとんどが落札されたことからも、その人気ぶりが理解できよう。

昨年の最高落札額はフェラーリ288 GTOが3億6960万円を樹立したが、今年はフェラーリを押しのけてパガーニ・ウアイラ・ロードスターが頂点に立った。

最高落札額 2億6189万円

出品されたのは、わずか100台が製造されているパガーニ・ウアイラ・ロードスターのなかでもシリアルナンバー42番の個体。

鮮やかなブルートリコローレをまとった1台で、この日の最高額となる2億6189万円を記録した。

高値No.1 2018年パガーニ・ウライラ・ロードスター(2億6189万円)
高値No.1 2018年パガーニ・ウライラ・ロードスター(2億6189万円)

以下、トップ3は、1967年フェラーリ330 GTS(1億8896万円)、1971年ランボルギーニ・ミウラP400 SV(1億5371万円)という結果に。

さらにその後は、1955年メルセデス・ベンツ300 SLガルウイング(1億4034万円)、2008年ブガッティ・ヴェイロン16.4(1億2211万円)といった、いつもと違った顔ぶれになるのが興味深い。

オークション結果から全体を見れば下落傾向にあり、並みの程度はそれなりの評価になってしまう。

ところが、人気モデルで低走行、あるいは希少性の高いモデルが高額で落札されるのは以前と変わらない。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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