【最高のハイブリッドSUVは?】ホンダCR-V vs トヨタRAV4 vs スバル・フォレスター vs レクサスNX 前編
公開 : 2020.02.08 05:50 更新 : 2021.01.28 18:33
ディーゼル離れが進むなか、今回は4台の日本製ミッドサイズ・ハイブリッドSUVを集めた比較テストを行いました。いまや燃費性能に優れているのは当然のことであり、今回のテストで勝因となったのは、ハイブリッドを感じさせない自然なフィールだったようです。
時間が必要
アイデアのなかには実現まで時間を要するものが存在する。
四輪駆動システムを採用した初のパフォーマンスモデルとしてジェンセンFFが登場したのは1966年のことだったが、アウディやポルシェ、ランチアなどのスポーツカーメーカーによって、この4つのタイヤを駆動するというアイデアの優位性が認められるまでには約20年掛かっている。
こうした話はターボやエンジンのアイドリングストップなど枚挙に暇がなく、いまこの洗礼を受けているのが、特にプラグインではないガソリンハイブリッド技術なのだ。
1997年、トヨタが世界初の量産ハイブリッドモデルを発売した時、この新技術が広く普及するまでに23年もの月日と、それまで存在しなかった新たなカテゴリーを創り出す必要があるなどとは思いもしなかっただろう。
プリウスに採用された技術は非常に複雑なものだった。最初のプロトタイプが実際に走行出来るようになるまでに7週間も掛かり、しかもその距離はわずか数百mだったと言う。
それでも2年後には無事発売までこぎつけており、一般的なカローラの約2倍もの優れた燃費性能を発揮することに成功している。
あの当時、関係者のなかでこの状況が後戻りすることを予想したものなどいなかったに違いない。
「セルフチャージング」ハイブリッド
では、ここで質問だが、これまでに何台のハイブリッドモデルを所有したことがあるだろう?
ハイブリッド技術が未だ普及段階にあるなどと言えば、おそらく違和感を覚えるに違いないにもかかわらず、おそらくその数はゼロだと言うひとが大半ではないだろうか?
1997年以降、プリウスだけでも600万台以上が販売されており、いまではスズキからフェラーリまで、ほぼすべての主要メーカーから何らかのハイブリッドモデルが発売されている。
だが、市場全体を見回すと、異なる情景が浮かび上がってくる。いまだにハイブリッド技術の拡がりはゆっくりとしたものでしかないのだ。
昨年、英国新車販売におけるハイブリッドモデルの数は10%に満たない。
さらに、プラグインではない一般的なハイブリッドを「セルフチャージング」と呼んで、英国中がその宣伝で溢れているのは、自動車メーカーがハイブリッドモデルを拡販することで、CO2排出量に基づく罰金を回避するためであり、決して市場からの要求に応えている訳ではない。
だからこそ、われわれはサリー州にあるロングクロス・プルービンググラウンドに、4台のミッドサイズSUVを集めることにしたのだ。
すべてが日本メーカー製であり、それぞれが最新のBMW 3シリーズよりもわずかに短い(が、幅広い)ボディに特徴的なデザインを纏っている。