【イメージ通りの万能選手】アウディRS6アバントへ試乗 V8ツインターボ 599ps
公開 : 2020.02.19 10:20
アウディ・スポーツのフラグシップモデルとなるのが、最新のRS6。最も洗練され、最も一体感を強めたとアウディは主張します。残念ながらスタッドレスタイヤを装備していましたが、英国の道で、英国編集部がその実態を確かめました。
もくじ
ー凄みを利かせた4代目RS6
ー599psの4.0L V8ツインターボ
ー上質でありながら圧倒的な走行性能
ー4輪駆動と電子制御が支える安心感
ー究極の万能選手と呼べる1台
ーアウディRS6アバントのスペック
凄みを利かせた4代目RS6
アウディ・スポーツのフラグシップモデルとなる、最新のRS6。長年に渡って、成功を収めた人物の、忙しない日常のクルマとして選ばれてきたモデルだ。
アウディRS6のオーナーの中には、ガレージにエキゾチックなスーパーカーを納めている人も少なくない。運動性能と快適性とのバランスに優れた4輪駆動のステーションワゴンを、毎日の足として選ぶことに疑問はない。
前回RS6に試乗したのは初投入となる北米だったが、今回は英国の一般道。先代のRS6は控えめな見た目だったものの、最新RS6のデザインなら、他のA6に紛れることはないだう。
フロントには巨大なグリルを備え、その両端にも目立つ大きさのエアインテークが開けられた。リアビューミラーに映る姿はかなりの迫力だ。RS6の定番といえるブリスターフェンダーは、標準のA6と比べて80mmも全幅を広げている。
ボディパネルで標準と同じものは、フロントドアとルーフ、テールゲートのみだという。視線を集める眼力を持つLEDヘッドライトも装備し、ドアを開場するとストロボのように点滅。極太な楕円形のマフラーカッターが2本、リアエンドで凄みを利かせる。
試乗車は、ナルドグレイと呼ばれるボディカラーと22インチホイールによって、さらに威勢が良い。オプションのカーボンセラミック・ブレーキを納めるには、このサイズが必要なのだという。おかげで試乗車の価格は13万5000ポンド(1930万円)にまで吊り上がっていた。
599psの4.0L V8ツインターボ
搭載するエンジンは、お馴染みの4.0L V8ツインターボ。599psの最高出力を聞けば、制動力も強力な方が良いと思える。最大トルクは81.4kg-mで、ティプトロニックを備える8速ATを介して4輪を駆動する。
トルセン式の4輪駆動となるクワトロは、最大で85%のトルクを後輪へ伝えることが可能。トルクベクタリング機能を持つスポーツデフも組み合わされる。
英国仕様車の場合、4輪操舵のダイナミック・オールホイール・ステアリングが標準装備。低速域ではフロントタイヤと逆向きにリアタイヤが切られ、高速域では同じ向きに制御される。
エアサスペンションを採用し、車高は標準のA6より20mm低い。さらに119km/hを超えると10mm低くなる。
だが試乗車の場合はオプションのRSスポーツ・サスペンション・プラスが付いており、エアサスではなくスチール製コイルに置き換わっていた。アダプティブダンパーは、ダイナミック・ライドコントロールと統合され減衰力を調整する。
今のご時世、車重2t、600psのステーションワゴンを、環境負荷を意識せずに走らせることは難しい。RS6にも、気筒休止機構や電圧48Vのスターター・ジェネレーターを備え、燃料効率を高めている。
エンジンは、低負荷時に最大で40秒ほど自動的に停止。赤信号などでの減速時に、20km/hを下回るとアイドリング前にエンジンを停止する機能も備える。
インテリアはA6で見慣れた雰囲気が残る。インテリアの設えは美しく、ダッシュボードには大きな液晶モニターをレイアウト。メーターパネルのモニターには、RSモードの選択時に、レースカーのような棒グラフ式のレブカウンターを表示することも可能だ。
車内空間も変わらず大きい。荷室容量は565Lもあるが、メルセデスAMG E63 Sエステートには及ばない。