【どんなクルマが、どこで売れている?】世界の市場 カテゴリー別新車販売実績 2020年はどんな年に?

公開 : 2020.05.30 08:50

各国、各カテゴリ―別に2019年の新車販売状況を振り返ってみました。中国市場が2年連続縮小するなど主要各国が軒並み前年割れを記録した一方で、911やマスタングの好調ぶり、そしてテスラの躍進が光る一年となりました。2020年はどんな年になるのでしょうか?

2019年は波乱の年

2019年の自動車業界はふたたび大きな混乱に見舞われることとなった。

中国の新車市場が2年連続で縮小するとともに、米国、日本、英国、そしてインドでも販売台数が減少している。

テスラ・モデル3
テスラモデル3

だが、こうした市場で320万台近く新車販売が減少した一方で、ドイツとフランス、ブラジルでは販売数量増を記録している。

2020年も中国市場の減少傾向は続くと予想されており、とくに新型コロナウイルスの影響が懸念材料だ。

一方、フォルクスワーゲンは引き続きディーゼルゲートの余波に苦しみながらも、トヨタを上回って世界販売台数トップの座を維持することに成功した。

世界的なSUV人気が継続するとともに、米国市場ではGMがフォードを抑えてトップの座を維持している。

スポーツカーのカテゴリーでは911が並み居るライバルを打ち負かした結果、ポルシェが2019年もトップの座に君臨した。

パフォーマンスカー市場ではフォード・マスタングがベストセラーとなり、テスラのモデル3が世界のEV市場を席捲している。

今回ご紹介するすべてのデータは世界全体の85%を占める53の市場に関するJato Dynamics社の速報値に基づくものだ(12月実績には予想値も含む)。

各市場別世界販売状況*

中国市場は約200万台も販売台数を減らしており、これは20年以上ぶりのことだった。

多くの自動車メーカーが販売と収益面で大きく中国に依存するなか、2020年の業績を上向かせるにはこの市場の回復が喫緊の課題となっている。

各市場別世界販売状況
各市場別世界販売状況

「2020年の新車販売増には、中国の消費者心理の回復と家計の債務残高の削減が必要です」と、Jato Dynamicsでグローバルアナリストを務めるフェリペ・ムニョスは指摘している。

市場全体での新車販売が1700百万台越えという歴史的な水準にあることを考えれば、米国における販売減はそれほど懸念されてはいない。

「昨年の実績は史上まれに見るものでした」と、ムニョスは話す。

世界全体で見ればインドが最大の下げ幅を記録しており、2018年に出された新車販売台数でのドイツ越えという予測もまだ先のことになるだろう。

「新規に導入された安全性と燃費性能に関する規制と税金の影響によって、インドでは多くが新車の購入を延期したり、契約をキャンセルしています」と、ムニョスは言う。

欧州における販売台数の微増は、平均CO2排出量95g/kmという2020年から導入される新規制を前に、排出量の多いモデルに対する駆け込み需要が12月に発生したことが要因だった。

*乗用車と小型商用車を含む

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