【オペル買収の効果も】グループPSA、記録的な利益を計上 SUV投入とコスト削減が勝因 2019年
公開 : 2020.03.02 20:02 更新 : 2021.03.05 21:42
2019年、グループPSAは記録的な利益を計上。新車販売が10.3%減少する中、大きな利益を上げることができた背景には、収益率の高いSUVなどのモデル投入と、効率的なコスト削減があったようです。
記録的な利益を計上
グループPSAは、新車の販売が10%以上減少したにもかかわらず、2019年、記録的な利益を計上した。
シトロエン、DS、プジョー、オペル/ボクソールで構成される当グループは、2019年に前年比1%増の747億ユーロ(9兆円)の収益を計上し、利益は前年比13.2%増の32億ユーロ(3868億円)となった。
一方、新車の販売は前年同期比10.3%減の347万9096台となっている。
PSAは、利益の増加について、オペル/ボクソールのグループ入りによるコスト削減、ラインナップのシンプル化、および生産支出の削減によるものだと述べている。
また、SUVなどの利益率の高いモデルの販売増加も、要因の一つとして挙げている。
ヨーロッパにおける、PSAの5つのブランドの販売は、対前年比2.8%減の合計301万9729台だった。
特に中国では55.4%減の11万7084台に落ち込み、中東とアフリカで43.7%減、南アメリカで22.5%減と、それぞれ大幅な減少を記録している。
プジョーは、相変わらずグループPSAの最も成功したブランドの地位を保っているものの、前年比16.5%減の145万3823台となっている。
シトロエンの販売台数は、5.4%減の98万9853台だったが、ヨーロッパでは0.8%増加している。
オペル・ボクソールの売上は、6.2%減の97万3431台だったが、DSの売上は16.4%増の6万1989台となっている。
新しい時代へ
他のメーカーと同様、グループPSAは、EUの燃費規制不適合による罰金を回避するため、ラインナップの電動化に多額の資金を投入している。
今回の規制では、欧州で販売するメーカー平均で、CO2排出量を95g/km以下に抑える必要がある。
グループPSAは、フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)との合併契約を締結し、世界で4番目に大きな自動車メーカーとなった。
現在、統合への準備が進められており、両社は、今年後半または2021年初頭には、最終的な形になると予想している。
PSAのCEO、カルロス・タバレスは「エネルギー移行への準備は整っています。クリーンで、安全で、手頃な価格のモビリティをカスタマーに提供することに、全員が力を注いでいます」
「効率的なビジネスモデルとファイティング・スピリットをもって、FCAと共に新しい時代へと向かっていきたいと考えています」と語っている。
画像 シトロエンC3、シトロエン・ベルランゴ、プジョーe2008、プジョーe2008、プジョー508 PSE、DS 9【PSAモデル比較】 全82枚